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2005.07.22

バラケ「ドビュッシー」

どうやら勘違いをしていた。
音列技法の前衛芸術家が変容技術を解剖するのかと期待してしまった。
エピソードの面白さはあるが明確な、人物評でも、作品解析でもない。
己の指向を評価するため、著者の意図を記述するための素材のようだ。
歴史的な時代の風に煽られて排他的国粋主義者となったドビュッシー。
気紛れと貧困。豊かさとスノビズム。
イギリス贔屓だったドビュッシーはドイツを嫌う。

人格や性格はいざ知らず、ドビュッシーの提起した問題はその後、模倣ではなく、取り組むに足ると認識された。

面白いのはドビュッシーはピアノ弾きという野蛮な職人を称揚していると思える点だろう。
それは、感極まって音楽に涙する聴衆に「馬鹿め!」と捨て台詞を吐きながらピアノを弾き続けたベートーヴェンを思わせる。

またバラケは、ドビュッシーをウェーベルンに結びつけようとする。それは恐らく己の道であろう。道半ばに自ら果てたとしても。

ドビュッシーを初めて識った時の衝撃を思い出してみると、不思議な気持ちになる。「変わる/変わらない」がとてもラジカルに突き付けられていたように思う。
「変わる」の中には「変わらない」も含まれる。その逆も。
しかし、それは混沌ではない。
だから「変わり続ける」ことも「変わらずにある」ことなのだった。
これは佐々木の言うサーフェスのレイアウトと同じだ。あるいはヴィクトル・エリセ「マルメロの陽光」。なぜエリセは役者を使わないのか?が重要な鍵だ。

こうして、自分は作品として書き上げること、カタチを残すことに興味を失う。

例えば、朝鮮民謡をラテン系の響きに味付けして、口笛でリフレーンし、ミニマルな曲に仕立てる。なんてことを考えてみる。ブラックミュージック系の作家などがクラシックの有名なフレーズを引用してるのを逆手に取るのも面白かろうに。

ドビュッシー
ドビュッシー
posted with 簡単リンクくん at 2005. 7.23
平島 正郎 / Barraqu〓 Jean
白水社 (1969)
この本は現在お取り扱いできません。

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