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2005.08.23

アンジェイ・パヌフニク

土地を代えて有名になるのはままあることでパヌフニクはポーランドから英国へ移って名を成した。ペンデレツキ、ルトスワフスキのようには鮮烈ではなく、グレツキのように清楚でもない。中世風の瞑想的な音楽と形容されることも多く、陽気な曲調ではヴィヴァルディの辺りを思い起こす。
最近復刻された最後の録音、交響曲9番は確かにそんな内容だった。思索に耽るようでもあるが何も伝えていないとも受け取れる音楽。そう思うのはカップリングの、これより四半世紀前に書かれたピアノ協奏曲が、シチェドリン風だからだろうか。常に期待を抱かせながら、快也を叫ぶことのない、期待に背く音楽。それでも聞いてしまうのは何故だろうか。失われてしまったいにしえの響きを装飾に響かせるからなのか。過去の記憶は余技なのだ。前進すべき未来は戸惑いと迷走の中、厚い霧に阻まれて見えない。それでもなお、相容れない共存は、計算されたスコアの推進力で展開される。残念ながら時代が啓くとあったはずのコントラストは蒸発してしまい、苦しんだはずの記憶さえ風化されてしまう。
ただ、この道を進むお前は誰なのか、音楽は教えてはくれない。

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