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2005.10.10

ジョルジョ・アペルギス

昨年来日時に発売が重なった2枚組「SIMULACRES」。
Il gigante goliaが始まると、またいつものこの人の騒がしい音が聞こえる。そうだ、シアターピースなのだから、舞台での見栄えを想像しながら音を受けとめるしかないのだった、聞く側の努力が必要な作家だったのだ。。。
続く280 measures pour clarinetteは、奏者のためのソロ作品だ。聞き進むにつれ、その見事な体力に感服するより他ない。アペルギスの作品特徴として挙げられるのは、やはり、この野獣性とでも呼ぶべき体力ではないのか。こうした作品が、奇抜な音を並べる現代音楽にしか聞こえないとしたら演奏してるのが人間だということを忘れてるのだ。

以下に続く作品は詳細しないが、よくギリシア出身の作家ということで比べられるクセナキスとの違いは、その暴力性の差だろうか。
クセナキスが絶対の存在としての力を表出するとすれば、アペルギスはより人間内面の獣のようなバイタリティを引き出す方向にある、と思える。
仮に、前者を三人称とすれば、後者は一人称の音楽と呼べるのではないか。
もともと、クセナキスの圧倒的な音響と、アペルギスの生理的嫌悪感を抱かせかねない奇妙な音では、比べ様もないのだが。

それでも、アペルギス音楽の魅力を語るなら、その発話の冴えを忘れる訳には行かない。舞台演劇的な音の振る舞い。そうした身体性は時に獣のように理性を飛び越えて響く。しかしそれは演劇としての野性で、神の野性ではない。自然の野性ではない。日常ではお目にかかれない異端の儀式。

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