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2005.11.03

CDを聞き直して

自分が何を持ってるのかも判らなくなってきてるが、最近聞き直して気が付いたことをメモしておく。

アッカルドが弾くバルトークの遺作ソナタ。
テオドラキスの交響曲1番のフィルアップにある、アダージョ。
ヘルベルト・ケーゲル指揮ルイジ・ノーノ作品集。
清瀬保二
アンジェイ・パヌフニクのシンフォニア・ヴォティバ。
バスク地方出身のグリーディの弦楽四重奏曲。
Kurt Schwertsik
清瀬保二

自分が何を持ってるのかも判らなくなってきてるが、最近聞き直して気が付いたことをメモしておく。

アッカルドが弾くバルトークの遺作ソナタ。フランス風とばかり思ってたが、没にした理由はその後に、ハンガリーさらにはバルトーク自身の作風を特徴づける上での間違いを訂正する必要があったためだろう。ここで取り上げられた祖国ハンガリーはジプシー風を意味するようだ。
ハンガリー音楽=ジプシー音楽ではない、と都会人だったバルトークは民謡取材の旅でそれを知るのだった。ここには既に後の形式感の萌芽が現われている。つまり作者としては素材を替えスタイルを研いたのだと言える。

テオドラキスの交響曲1番のフィルアップにある、アダージョ。ボスニア戦争犠牲者に捧げられたロンド形式の悲しいワルツ。そもそも交響曲1番自体がフェリーニのニーノ・ロータしてる。
このアダージョは戦争終決前に書かれ、出だしのフルートの案内がまるでグルック「オルフェオとエウリディーチェ」を思い起こさせる。残念ながら、死者を呼び戻すことは出来ない。犯してしまった過ちも、無かったことには出来ない。

ヘルベルト・ケーゲル指揮ルイジ・ノーノ作品集。「力と光の波のように」の息を飲むような緊張はもう感じなくなった。いや微細な音の息吹を立体的に聞いてみたい。以前は想像力で補えたはずだが、メディア劣化か、聞こえてこない。
知らなかったが指揮者ケーゲルはベルリンの壁崩壊の年に自殺した。比較する訳にはいかないが、なぜかパウル・ツェランを思い浮かべながらトラークルを思い出した。

清瀬保二を聞いてボリス・ティシチェンコの鄙びた、田舎を題材したスズダリ村を思い出したが、あれはLPしかない。仕方なくハープ協奏曲を聞く(しかしまぁ我ながらよくこんなの持ってるナぁ)、まるで、弾き方さえも琴だ。
(それでさらに捜し回ると、伊福部昭のラウダ・コンチェルタータ、リトミカ・オスティナータ、交響的エグログの3曲は持ってた。タワーのセールで買い増さなくて良かった)
ティシチェンコを、似てるけどショスタコヴィッチの文脈で聞いてはいけない。調子っ外れな粋狂、それも何故か豪快な唄と聞きたい。で、なければムソルグスキーを模したいと思ったショスタコヴィッチに師事した意味がない、から。

アンジェイ・パヌフニクのシンフォニア・ヴォティバ。これはボストンシンフォニー創立100周年委嘱作。作曲者による83年のBBCライブ。小澤征爾の演奏でもピンと来なかったので、やはり9番だけが特殊なのだろう。83年は「連帯」の年。

バスク地方出身のグリーディの弦楽四重奏曲。作曲年を見ると作者50歳、65歳の作品。かなり渋い出だしだが、こう考えてみる。乗馬で森を散策している。適度なドライブ感と変化する風景のささやき。山の空気が清々しい。おそらく作者はドビュッシーもラヴェルも聞いているだろう。そういう作品で、あえてワグナーを避けてるようにも伺える。ひょっとすると山にかかる雲に聖母の姿を見付けるかも知れない。それほどに慈しみに満ちた音楽だ。自然に抱かれた喜びを表現するならこれだろう。
2番では、さらに高度を増して山頂での雪原の月を思い浮べてみる。

鮮やかに緑色のソラリゼーションを起こした林の中の木立に虹色の蛇が巻き付いている。

それは一瞬だった。頬を伝う空気に、突風が起こり何かが右目を打ったが瞬きする間もなく前を見つめている。その音から風に舞い上がったネクタイだと気付く。不如意に持っていたためそれを右手が奪った時の痛みが薬指に残る。その瞬間、確かに老女のけたたましい高笑いを背後に聞いた。俺は敷居の上で立ち尽くしている。

聞きながら眠ってしまったようだ。。。

Kurt Schwertsikの装い、ラテン系の陽気さは、音楽に悲哀が無いのが南米人でない証拠。北の人が暖かい南に住みたいと願う憧れのような、音楽の方法論として導入されたスタイル。作品がどれもなぜか20分前後にまとまってるなぁ。

清瀬保二の運動性にピンク・フロイトを重ね合わせてみる。ミニマルのように繰り返される粘り。おっと、しかし短すぎる!

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