« スマートな天体望遠鏡 | Main | パフィーの米国ブレイクを解読する »

2005.12.25

ブエノスアイレス繋がりで

いくつかのCDにブエノスアイレス繋がりで若干のコメントを

昨年のサンタバーバラでのタンゴフェスティバルの折に初演された演目を収めたTHE SOUL OF TANGOはふたりの作家が並んだアルバム。ルイス・バカロフのバンドネオン、ピアノ、ソプラノのための三重協奏曲と映画「イルポスティーノ」のテーマ。アストル・ピアソラの三楽章の交響曲ブエノスアイレスとOblivion。というメインとアンコールピースのセットだ。
バカロフはガルデル風な歌を付けたが境界線上でもなくどちら着かずな印象で特に、もう聞かなくて良いんじゃないかと思える。
ピアソラは、ヒナステラを離れてパリのナディア・ブーランジェに私淑するも「あなた本来の音楽は?」と問われて改めてタンゴに開眼する節目の作品。バンドネオンを伴うが協奏曲ではない、それも合わせてリトル・ストラヴィンスキーといった感じ。
女流指揮者ジゼル・ベン=ドールの新譜で期待が高かったが以前のヒナステラでのようなヴィヴィッドな印象はない。ライヴ録音だからか?

YIDDISHBBUK
オズワルド・ゴリジョフはブエノアイレスに生まれたが、自身のアイデンティティをユダヤとする作曲家だ。弦楽四重奏プラスアルファの曲が収められ、曰く有りげなタイトルが揃ってるが、楽曲解説は省く。
現代音楽(エ?!と思うけど英語ではserious modern musicと言うらしいホントかなぁ)の技法は全て土俗的な響きに落とし込まれ耳当り良く、巧く処理されてる。ちょっとした性格の描き分けがあり、なかなかに達者だ。冗舌でもあり、息遣いの間合いも独特で興味深い作品演奏だ。
なのになにか苦い想いが残る。

勝手な思付だが、おそらく、これらの音楽は自分探しとすればすんなり馴染むのではないか。

これまでに聞いた中国系の作家たちに接した時の戸惑いに、自分は説明を要さずに全て解ると思い込んでいたことと、民俗性や習慣は生れ付きではないと改めて思い知った次第だ。

こうした理解には、何かと比較対照する、距離を繋ぐ媒介を求めるべきかを考えてしまう。それは、直覚するのではない。教えを請うことだ。
もし東洋の伝統的スタイルとしての思想哲学を体現してたとしたら、それを誤った方法で受け入れることにならないか。
音楽とは言え、西洋の伝統スタイルに基づいた表現で、それは思想的に正しいのだろうか、と懐疑的にならざるをえない。
心配してるのは、言葉ではない理解だ。

あるいは最近話題になりだした香港の作家たちなら、そうした心配もないのだろうか。。。

|

« スマートな天体望遠鏡 | Main | パフィーの米国ブレイクを解読する »

音楽」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ブエノスアイレス繋がりで:

« スマートな天体望遠鏡 | Main | パフィーの米国ブレイクを解読する »