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2006.01.09

最近聞いたCDの印象

マルタン・マタロン …de tiempo y de arena…
テープや電子音を伴うアンサンブルなど。まず小粋なスピード感に魅了される。音の仕草が洒落てるのだろう。もちろん現代音楽の技法内で。
ブエノス・アイレス生まれ、ジュリードで学び自前アンサンブルを組織し、パリでIRCAMに出会いポンピドゥー・センターのためフリッツ・ラングやルイス・ブニュエル映画に音付けする。
フルート、ヴィオラ、ハープのための作品や8台のチェロのための作品など、過不足なくこの枠に収めて器用だなぁと感心してしまう。
ひとことで言えば、飽きがこない音色だろうか。

ゴットフリート・フォン・アイネム 弦楽四重奏曲2、4番
オペラ「ダントンの死」で有名なはずの、忘れ去られようとする作家。
え、これを70、80年代に書いてたの? 思わずそう唸ってしまうほどにメロディアスな、奔流する調性音楽。また演奏の艶も素晴らしい。作者が仕掛けた罠を気にすることはない。名人芸に酔って見事に騙されれば良い。

ロベルト・ヘラルド 交響曲「ペドレル讃歌」とハープシコード協奏曲
スペイン内戦でケンブリッジに留まったセリー指向の作家、デ・ファリャの師匠ペドレルに学んだので番号無しの交響曲を捧げた。
番号無し作品はロマン派と印象派が民族楽派で出会ったような作風をしてる。
最も力を注いだ、当時の前衛技法であったテープとオケをぶつける作品は音楽会には定着しなかったようで、自身もたびたび改作を続け、それでも素直に聞けるようにはまとまっていないように思う。ラジオ作品とした方が良かったろうか、それではなおさら演奏されないだろうけど。
この交響曲は、雄大な響きがするロマン派の交響詩か組曲で、色鮮やかな動機が明滅する。テンポをもっと揺らして内的な動きを生み出せたら魅力倍増だろう。
ここでいきなり場内の照明が絞られる。
ハープシコード協奏曲はサーストン・ダートの依頼に応じたセリー音楽らしいが現代のアンサンブル作品として聞くことも出来る意欲作だろう。サーストン・ダートはケンブリッジの古楽研究の権威でマイケル・ナイマンの師匠だ。
どちらの曲からもヘラルドの打楽器の癖が聞き取れる。例えるならジョアン・ミロの、ほにゃららなヘタウマな線を思い浮べる。

シルヴァーノ・ブソッティ ラーラ・レクイエム
代表作とされながらついぞ録音されなかった怪作(?)。オペラの終幕(第三部、3、4幕)にあたるそうだが、これだけ聞いても十分だろう。
69/70年作、当時は巨大オーケストラからアンサンブルへの移行期だったから、自由な楽器の組み合わせが注目を集め、現代奏法や歌唱法が取り沙汰され、今となってはもう、ハイ。。。

ミハイル・チェカリン 「Last Seasns」「Black Square」
インナーを開くと、長髪の神経質そうな眼鏡をかけたやさ男が写っている。「いかにも」な、ちょっとだらしのないペン画は作者の手になるもの。
曲について、個人的な心象だと作者は言う、激しい感傷である。もし夢にBGMを付けるならこんな音だろうか。
移ろいが終わる所。
後者はマレーヴィッチを讃え、新世紀を宣言するものらしい。
もともとKGBに睨まれながらモスクワでアンダーグラウンドなマルチメディア・イベントで鳴らしてたそうで、これはクラシック・スタイルで発表した作品。

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