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2006.01.03

XOD(仮)とは何か

表記にVODやPODなどが流通してるので、仮にこうしてみた。
ユビキタスとオンデマンド、似て非なるものか。
まず何をもたらす技術なのだろう。
前者にはいつも何か危うさを感じてしまう。双方向通信技術は以前からFAXのG3モードとかいう双方で確認し合う方式がある。互いを確認するとなると、自分の身元を発進し続けることになる危うさを感じてしまうのだろう。

例えば、最近なにかと話題に登るコンテントの自由な流通。
もし、それを貨幣と置換してみたらどうなるだろう。先日テレビで見た、アレキサンドリア図書館のような閲覧方式(一冊持って来て一冊模写する)、これはどうやら知識を貨幣として流通させたように思える。
この図書館にはレジデンシャルな学者達が多数在籍した。
また悪書という発想はなく、知識をそれぞれに等価に遇したのではないか。

話の腰を折って、ここから暫らくPODを考えてみる。
PODのサービスビューローは主にプロユースとして利用されてる。理由は窓口対応の効率化だ。サービス申込書に記入して渡すと、データに不備があれば不可能と言われ戻される。
ここでの教訓は、サービスを求めてるのはプロつまり同業者だという怜悧な視線。
ユーザーの設備や知識の限界から重宝される。

ではチャネル拡張で一般利用者への売り込みを構想してみる。
まず、窓口対応では専門知識を一般理解に役立つように解説する必要がある。
そして技術的な困難さを、平易な表現でも可能な技量を、廉価に大量に提供できなくてはならない。
それは出力メディアの品揃えでも同様に要求されるだろう。

こうして差異を洗い出せば何か不可侵領域が現れるものと思えてたが、現在のDTPを取り巻く環境から鑑みると、むしろ製作規模くらいでしかなく、技術やコスト、納期などの要求に差はないだろう。

やはり、こうみるとコピーセンターに毛が生えたようなサービスでは需要に間に合わないから、(X)ODとは言えない。
そもそもPODは、その場で印刷物が出来上がる訳ではないから無理があるが。

ついでなので、もっと遡って、もう少し前段階作業の自動組み版を考える。
これも事前に埋め草をテンプレートに収納しておく必要がある。
さらに致命的なのは雑誌レイアウトに利用するとした場合の生成方法だ。
マトリックス毎への流し込みではカスタマイズ領域が広すぎて校正確認が煩雑になる恐れがあるだろう。一部カタログやスーパーチラシでは応用できても汎用性にはまだ及ばない。スポーツ新聞でも花形レイアウトマンがいて野球記事に名を記したりしてるが、定年まで勤められる職場環境だろうか。そうした話は聞こえない。

半端な脱線のついでだ、憎まれ口を書いておく。印刷関連は、今後も、リサイクル不可な物を作り続けるだろう。現在の仕様では印刷物は漂白しても白にはならないので再生価値が無い。燃やせばダイオキシンが発生し、埋める土地はもう日本にはない(東京湾13号堤防は海へ向かってまだ突出し続けてるだろうか)。シュレッター屑を海外へ売り付けるしかない。

そもそも、オンデマンド技術は印刷に役立つのか。
商売として考えるなら、凄まじいまでの技術革新と呼べよう。複雑な工程を圧縮し短期間に美しい印刷物製作を可能にした。
データ印刷は、斯様に見事だ。
製本加工や用紙自体の問題は大した変化は見られないように思うが。

上手く話を運べてないが、印刷技術の進化は光学処理による製版技術の誕生にあったのではないかと思う。
組み版もコールドタイプ、写植を電算処理したまでは光学技術だ。
電子技術に移行しデータ化されて、肉眼での確認作業を疎かにする傾向にある。
携わる工程の前後を知るのは当然として、さらに作品か商品かの議論は置くとしても、最終的に現れるのに、それは三次元空間へやってくる。

電気が初めて灯された頃の大げさな驚き話などを聞くと、人類の技術的進化と勝利などと同時に、フランスのガラス職人を思い出す。エミール・ガレは電灯には自然の光を再現することが出来ないと知ってか、様々にガラスを重ねて森の日溜まりのような明かりを再現しようと挑戦していた時期があり、ランプの灯りに掛けた、物凄い情熱と野心を感じさせる。
それでも、そのランプに見て取れるのは、所詮自然光には遠く及ばない人間の技の限界であり、それに挑んだ者の強い意志の追憶だ。

オンデマンド=「いまここにあること」は何を意味するのだろう。
壊れた蛇口のような記憶だろうか。

「ならでは」の表現へと収束するなら、失うものを覚悟しなくてはならないのではないか。

極端だが、一般のイマジネーションは削がれ、ヴィジョナリー(幻視者)が持て囃されるのだろうか。
かつての預言者など、現代のコピーライターだったかも知れないな。。。

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