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2006.03.19

こちら側/あちら側

偽悪的ロマンティシスムに浸り、受難者気取りで見えない敵を数え上げては困難な道をゆく英雄のごとく、大衆を導く大義に自惚れる。
その施策が現実的対処でないことも、目的が説明できないことも、総てが幻想だからではないか。

WEBを挟んでこちら側/あちら側という議論があった。

戦後処理を誤ったツケから、現代社会は、建前=妄想世界を形成してる。
上の世代の遺産を喰い潰せるものとタカを括ってるのも、幻想だ。そのために規定路線だと言って、規制事実化しようとしてるにすぎない。

Valentin Silvestrov : Requiem for Larissa
ピアノソナタ以降の集大成だろうか。合唱つき交響曲だ。あるいはピアノを案内役にしたシルヴェストロフ世界めぐり。

ここでは細やかな音響処理に両脇を囲まれながら先へ進むことを択ぶほかない路を行く。それは結果として伝統に根ざしたキッチュミュージックを展開するのだが。
フォークロア風な宗教音楽の響き、さらには古典音楽の模倣。

ピンボケの古い写真には、フォークロアテイストの現代風なブラウスを着たはにかんだような笑顔の女性とロック歌手のようなスーツスタイルの派手な押し出しの男。

シベリアを経た名誉回復の後に故郷ウクライナに安住の地は見つかったか。

現代音楽の狭き道の先に古里のフォークロアが待っていたか。妻には故郷の別れを告げたかったのだろう。そうして古典音楽は痛ましい美しさを手向ける。
寄せてはかえすこの道の先、作曲家は折り返すかに見せ掛けて、音のなかへ消えてしまう。

聞きごたえの面では不満が残るが、途中で筆をおくことも必要だ。

なんとなく「シド&ナンシー」を思い出す。

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Comments

シルヴェストロフはエクリチュールにおぼれない理知的な作家、どちらかと言えばアンチロマンの人だが、聞き手を置き去りにするなんて、これまでになかったので、驚きだ。
シルヴェストロフ回廊に置き去りだよ!

Posted by: katute | 2006.03.22 04:06 PM

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