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2006.03.04

ひらめきは一瞬で訪れる

(扉が開くとともにタンゴダンサーのような膝から下の脚捌きで出口へ通じる右側の階段を目指して石弓に弾かれたように躍り出る。隣の扉から流れ出てきた二人の人物をかわそうとするが緩やかな放物線にも似た互いの軌道は中間に位置する柱によって邪魔される)。。。と電車を降りて頭の中で自分の行動を記述していると、ふと違う観念が割り込んできた。

その音楽は常に上昇するクライマックスの炸裂と沈静する下降線の裾野からなる。
小澤征爾が「スコア的には何もないのに廃れない」と言った左手のピアノ協奏曲は正に下降する裾野の魅力ともいうべき作品だろう。
そんなラヴェルがどちらへも向かわない音楽を書いてみようと思ったのは確かに天才的な発想だったに違いない。
いわば己の持つ(上昇と下降の)技を封じたのだから。そして終幕の解決部で一気にその冴えが閃く。これは、裏返しの技だ。

異なる視点から眺めると、いつもの行いの輪郭が際立って見える。

切っ掛けは別にあるが、結果、普段とは逆の書き方を試したのがラヴェルのボレロだったのだ。だからこそ晩年、事故の後遺症に苦しみながらも鮮やかなフォルム(上昇するクライマックスとそれを印象づける永いながい裾野)を描けたのではないか。

…鏡の中の鏡… (アルヴォ・ペルト)

松岡正剛流に編集的だ。

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