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2006.05.03

三人の弦楽四重奏曲

JOHN McCABE
STRING QUARTETS 3,4,5
凝った作りの仕掛けがいつも楽しいマッケイブ。今回は、異質な音響を共存させて始まり(もうそれだけで、この人がミュージックコンクレートやコラージュをどう理解してるか判っちゃう瞬間でもある)、フランドルの写本でも勉強したか、と思わせるような音型が気になるなぁとうつらうつらと聞いてると、何だか、様子がおかしい。CDケースを開いて楽章タイトルを確認する。
3番が三部からなり16トラックある。
4番は10トラックあるが一楽章形式。
5番はアクアチントからインスピレーションを得た14トラック。
合計40トラック。
これって得なのかなぁ。。。売れてない頃の所ジョージが、今度のアルバムは42曲入りでお得、なんてラジオで言ってたのを思い出したから。。。話が逸れた。マッケイブのミニマル系オスティナートを聞く時いつも思うのが、その景色って本当に見たの、見えたの?
俺には見えない。見えてこないのだ。いっこうに見えない。
それが気になっていつも聞いてしまうのかも知れない。
出会いは「シャガールの窓」って交響曲だった。あ、このイギリス人やるなぁ。それからだ。腕前にはいつも感心してるが、こちらがゴシックに知識がないせいだろうか、まるで見えないのが悔しい。

gavin bryars
three string quartets
1番だけ“Between the National and Bristol”とタイトルが付いてる。「国家とブリストルの間で」なんて思わせ振りに訳されてるけど、特に意味はないだろう。あるとすれば、それは「信頼か/懐疑か」くらいな駄洒落だ。音楽を紡ぐには躊躇い/戸惑いがあるので、慎重な分、聞き手にも伝わるのだが、ミニマルが始まるとシンセ擬きのメロディが現われる。2番以降は少し上達してるのだが、現代音楽というよりはBGM、アンニュイでベタな音楽が続くので、苦手な人もあろう。でもこれがブライヤーズなんだもの、チェロ協奏曲聞いたからもういいですと言わずに聞くしかないでし
ょう。
それぞれに20分強の単一楽章が並ぶので、長大な三楽章が一時間ほど続くかのようだ。

Tomas Marco(先のaにストレス)
String Quartets
4曲の現時点での全集だ。特に注目すべきは、作者20代の第1番、既に堂々としてる。終盤で奏者に打楽器と声を要求してるが無理なく美しい響きに納まってる。この豊かな倍音をなすハーモニクスと金属音、ハミングの声はチベット仏教だろうか。
アレアトリーな作家といわれる所以はアドルノに師事したためか。
数学的な命題を持ち込んでるものもあるが、総じて長めのグリッサンドなど音響に特徴がある。不協和な音などなく、どれも見事に美しく響きわたるのである。どれほどに皮肉であっても、ため息が漏れるほどに調和が保たれてる。しかし、これは音楽だろうか?音楽だとしたら、どんな音楽に似てるというのか。
音のバランスは申し分ない。その形式に何かが隠されてるのだろう。そうしてスタイルが思想を語るのだ。

そんな訳で、自分は特殊な音響に点が甘い。

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