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2006.07.20

ソヴィエト音楽試聴記

「ながら」ではなく「わざわざ」聞くのが目的なのだが、分量が過剰なのかも知れない。で、その場の思いつきメモ。

ALEXANDRA PAKHMUUTOVA
Lev Solin : Concert Pieces For Symphony Orchestra
Nazib Zhiganov : Symphonic Songs
Tofik Kuliev : Viorin Concert in A Minor
Aram Khachaturian : Concerto-Rhapsody in B-flat minor for Viorin and Orchestra
Julius Conus : Viorin Concerto in E Minor
Igor Frolov : Concert Fantasy on Themes from Gershwin's Porgy and Bess
Andrei Petrov :
The Shore of Hope
The Songs of Our Days
Creation of the World
DENISOV Ricital
CRESCENDO & DIMINUENDO for harpsicord and 12 strings
CHRISTMAS STAR for voice,flute and string orcehestra (words:B.Pasternak)
TOD IST EIN LANGER SCHLAF(DEATH IS THE ETERNAL SLEEP) Variations on Haydn's theme for cello and orchestra
20th century russian piano music


ALEXANDRA PAKHMUUTOVA
再開されたメロディアから出されたアルバム。
全体に叙情的な雰囲気が漂う。
ロシア組曲はカバレフスキー、プロコフィエフ、ショスタコヴィッチを踏襲して芥川也寸志を盛り込んだような音楽。
続く前奏曲はドラマチックで悲劇的な作品。
トランペット協奏曲はミュートを使ってムード音楽風に始まり、勇壮なシグナルを吹き鳴らす動とドラマチックな叙情的な歌が対比される。
オケコンは単一楽章の交響曲、には短かったのだろうか、聞いたところでのテクスチャは見事な仕上がりだが。ショスタコ?オネゲル? いずれにせよ交響曲があるなら聞いてみたい。
Ode to Setting Fire(火起こし?)は混声合唱と大オーケストラのための作品だがチョット面白い。変わった音色の出だしで掴みはOK、で打楽器が原始的なリズムを作ってるのか(?)と思ってるとドラム/ベースに載ってムード歌謡風合唱が入ってくる。歌詞はない。
「青春」序曲は、演劇か何かの序曲なのかは不明だが、オケを十分に鳴らして古典風な演奏会用序曲を奏でる。青春の香気と呼んで良いだろう。
この人のファンタジーはいくぶん現実的な響きがする。

Lev Solin : Concert Pieces For Symphony Orchestra
Nazib Zhiganov : Symphonic Songs
Tofik Kuliev : Viorin Concert in A Minor
モノラル録音(?)。
劇場用音楽作品で有名な人たちの作品集(?)で、ほどほどに楽天的で肩の凝らない前世紀のムード音楽として聞き流しても良さそうな内容だ。
ジガノフはみっけもんだ。タタールの民俗音楽を昇華した牧歌的美しさを湛えた作品で、実に風通し良く清々しい。ただ、西洋音楽を聞いてたらイキナリ始まるので、民俗音楽を聞き慣れない人は馴染めないかも知れない。まぁ何処かインチキ中国音楽とも聞こえないこともないけど。ただしオーケストレーションのアイデアは見事(!)。
続くヴァイオリン協奏曲の変奏技法も凄いんだが今日の演奏会レパートリーに残ってない意味を考えてみるしかない。

Aram Khachaturian : Concerto-Rhapsody in B-flat minor for Viorin and Orchestra
Julius Conus : Viorin Concerto in E Minor
Igor Frolov : Concert Fantasy on Themes from Gershwin's Porgy and Bess
ハチャトリアン作品はオケとヴィオリンの音程が疑問だったけど、ここではその問題はないようだ。即興の、興が乗るまでお互い探り合うような繰り言をするが、ここではかなりの部分が技巧の見せ場とはいえ、そんな風。演奏者がしっかりと技巧を見せようとすればすれるほどノリの悪さが目立つというイジ悪な仕掛け。
続く作品はチャイコフスキーがほんのりと垣間見える。
ポギーとベスは、ジャズなどポピュラー音楽をやるための口実だったのかも知れないけど、結構愉しめるように仕上がってる。

Andrei Petrov :
The Shore of Hope
The Songs of Our Days
Creation of the World
これはソヴィエト崩壊後に設立されたboheme musicから。
劇場用音楽を書いてきたので芸術音楽とは違うとの認識だろうか。初期の映画やテレビの仕事をすれば、こうしたスタイルは仕事上必要だろうし、単純に、ブロードウェイの音楽語法を導入したとの指摘には賛成できない。実際、時代の空気としてのプロコフィエフ、ショスタコヴィッチから逃れるのは無理かと思う。なので、まぁ、ニーノ・ロータのキャバレー音楽をショスタコヴィッチが書いてるような感じで、舞台にこんな巨大な音響は必要ないだろう。
清々しく悠かな憧れを抱くような音楽が快い。ただし、やはり曲者なのだ。古典主義者がスタイルとしての現代をポピュラー音楽から取り入れてると受け止めた方が良さそう。ならば根源的な教養の在処を探って認識しないと誤解する。そうして初めて共感できる、時代の失われた痛みが伝わるような気がする。どんなに楽天的な希望を描いて見せても根底には痛みが横たわっている。タルコフスキー「ノスタルジア」が問題だったように、噂に違わず問題作だろう。と、すれば、純粋なんだか不純なんだか。狙いとしても微妙だ。。。

DENISOV Ricital
左肩にはThe Best of Classics digital recordingとXX century composersのふたつのマーク。右にメロディアのマーク。裏の曲目一覧は英語だが、中は全てロシア語で、読めない。なので外側を良く見ると、1990年5月の演奏会を録音してあったのを2005年にAQUARIUSがプレスしたと判る。90年5月はまだソヴィエトだったっけか?
ソロを交えた協奏曲風な作品が5曲。
CRESCENDO & DIMINUENDO for harpsicord and 12 strings
音の緊張感がいわゆる現代音楽のイディオムと何処となくジャズ(?)かな。
CHRISTMAS STAR for voice,flute and string orcehestra (words:B.Pasternak)
あぁインナーにグバイドゥリナとの写真が掲げてあったのは書法が似てると言いたいのか。
デニソフの功績って何かなぁ?フルートのオーレル・ニコレは20世紀の重要作品としてドビュッシーとデニソフを挙げてたが理解できない。
この作品はフランス風なモノローグ歌曲だろうか。
TOD IST EIN LANGER SCHLAF(DEATH IS THE ETERNAL SLEEP) Variations on Haydn's theme for cello and orchestra
これと、続くパルティータは形式的には擬古典音楽で、現代の音響で装飾したような、デコレーションケーキの仕上げをバタークリームで飾ったような感じの、聞けばそういう方法もあるねとは思うけど、作品の押し出しが弱いので戦略的には良い仕上がりではないかも。
ハッピーエンドは現代音楽とムード音楽の融合を目指したのかな。
デニソフには懐古的な作品よりも、目の詰まった骨太い音楽を聞きたい。

20th century russian piano music
グバイドゥリナのシャコンナ、ペルトのパルティータ、ショスタコヴィッチの24の前奏曲集(抜粋)、シチェドリンの24の前奏曲とフーガ(抜粋)、カラーエフの24の前奏曲(抜粋)。
どれも十分技巧を尽くして弾きこなしてるのは見事。なのにドラマが足りない、こんなに巧いのに。ドラマチックに始めてるのに、走り方が宜しくないのだろうか。
カラーエフを聞きたくて、この盤を探してたのだけれど、古典形式への楽天的な解釈、ここでは判断できないバッハとジャズの融合?

あまり政治問題に首突っ込みたくないけど、ソヴィエトの作曲家は何故か皆、ロシア系てか、白人が多い。地元土着民が音楽書いてるって感じじゃない。
これはスターリンの功績かな、ソヴィエト内のどの共和国でもロシア人が優勢でないといけないという移民政策の。

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