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2006.08.13

CDを聞き直す

夏になると例年ならドビュッシー、ヴィラ=ロボスなど弾いて和声感覚がおかしくなってる頃なんだが、今年はピアノが弾けてないので、特定傾向に耳を奪われてない。「キン・ザ・ザ」を観たせいか、その代わりに、なにか遥かな呼び声を感じる。
夏の感覚なのかな。。。

LEPO SUMERA Chamber Music
ANTES EDITION BM-CD 31.9165
スメラは何処から何処までがスメラ自身なのか、ここでは誰かと同じエレメントを用いてる。弦楽器やピアノの使い方は置いても、クラリネットとサックスは明らかに新古典主義を模してストラヴィンスキーしてる音楽と擬態のエマルジョン。
技法においても使えるものは何でも持ち込む、計算というより即興でそうした感じがする。それはまた、スメラはまるで、私を誰だと思った?と問い掛けてるみたいで、聞く者の固定観念を足元から掬ってしまう所がある。
どの曲も面白い仕掛けがある。なかでも84年に書いたピアノ曲は、有名な「81年の小品」のようなシリアスなミニマル音楽とは違い、カルメンのパスティシュ、それもシャリーノの「水の戯れ」+「雨に唄えば」みたいな雰囲気に仕上がってて、電話のオルゴールに良さ気だ。

Ashot ZOGRABIAN
LE CHANT DU MONDE : LDC 278119
アルメニアの人だ。なんて言えば良いのか、新しい順に収録されてる音楽が逆順だったら、聞く価値がなくなりそうな気がして、と言うのは聞き進むとどんどん民俗音楽が輪郭を現すからだ。冒頭では演奏技法が現代的奏法を要求するのかと聞いていたが、徐々に地元の音がおぼろげに立ち現われてくる。抑圧的だった所作や表情も段々と穏やかになり、風通しの良い音楽へと変貌する。そして現代音楽として気になるのは間の採り方だ。20世紀モスクワの演奏団体だからか、音楽を印象づける時間が少しばかり短く、性急に音が繋がれてしまうように聞こえる。もちろん、CDトラックの間
も。
弦楽四重奏曲1番は、プロパガンダ組織(?)クロノスの委嘱作だ。
ただこうは言えるだろう、この音楽には山からの風が吹いている、と。

Mugam Sayagi : MUSIC OF FRANGHIZ ALI-ZADEH
NONSACH 7559-79804-2
民俗音楽ベースのムード音楽だね、これ。地元旋法と民俗楽器の音色を模すのにプリペアード・ピアノを使い、弦楽器の胴を叩く。そして、この表題曲は、Habili Sajahyの改作だろうか。
以前アゼルバイジャンの音楽サイトを見ると「あの人は今」みたいなコーナーに紹介されてた。外地で頑張ってるらしい消息が掲載されてるが、何故か、好意的というよりも、困ったもんだ的な印象を受けた。


最近、30年前の古本を読むからか、日本語が急速に変化してるような気がする。言葉というより社会の共通認識が変わっているのか。この場合の表現スタイルは文法的な編集能力なのかと思う。文脈の探り方が変化してる。あるいは設問の建て方が、なんというか、マイクロスリップを無意識に意識してる(?)。これが社会の意識としての流行なのか。誰かの方向付けなのか。そういう訳で自分は、梅田望夫の大衆智というのは俄かに支持できないでいる。
>そのまとめは、『「群衆の叡知」ではなく「叡智の群衆化」』と、『"Crowds"は「みんな」じゃない』で十分ではないかな。

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