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2006.08.19

KIRISK

チンギス・アイトマートフ原作のMAGRET WOLFの三幕オペラ。
父親に連れられて二人の兄とオホーツク海にアザラシ狩りに出掛けたシベリアの少年の霧の中での5日間の出来事。

同世代のドイツの作曲家が、キルギスの作家の作品をどう音にするか興味があった。
クセナキスの十段譜を弾いたピアニストが超絶技巧ピアノ曲として、この作曲家の作品を弾いてたと思う。

このオペラは、合唱がいるけど、ほとんどがオケ伴奏のレチタチーヴォ風で4人しか登場しないのが、非経済的で上演しにくい気がする。

原作はThe Piebald Dog Running Along the Shore(79)、日本語訳はまだないようだ。
イニシエーションと作曲家は言うが、厳密には実体験でなくても良い訳で、このオペラは悲劇にあたり、鑑賞者にとってのイニシエーションとなるのか。

アイトマートフの短篇集を一冊読んだことがある。厳しい自然環境の中での苛酷な運命に弄ばれる人々。作家はなす術もなくそれらを記述したに過ぎず、寓意や理性はもはや何の役にも立たない極限世界であるかのようだ。作家の視線や記述が(時には過剰に)愛情に満ちていたとしても登場人物に影響を与えることはなく、その運命を変えることは出来ず、ただ、そういうことがあったのだ、と作品が告げるだけだ。
これが客観的なのか、それとも人間の無力を訴えてるのか、それを判断する術はない。

重たい主題の割には、音楽は自然描写が爽やかかで、それなら鳴り物をもう少し減らしても舞台は成立するのではないかとも思うが、特には管楽器の扱いにケヴィン・ヴォランズを思わせる所があって音楽は興味深い。
五音階風なのは舞台に合わせたのだろうか。普段のこの作曲家はどんな音を出すのだろう。ここではドイツ語が使われてるのに、相当にドイツ離れした音が書かれてるように思う。

どうやら地元劇場専属で作品発表に恵まれてるらしく、解説には、その経歴により作曲家の素養がユダヤの伝統研究に根ざしてる、と書かれてるようだ。

録音データを見ると初演の翌年から足掛け3年、正味6ヵ月(?)を要してる。
解説には脚本とプロット、作曲家と歌手の簡単な紹介しかないく、その辺の経緯や評価がわからない。

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