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2006.08.19

ストラヴィンスキー歌曲集

聴き直す。
さすがにリムスキー=コルサコフの弟子だけあって音はしっかりしてる。
ロシア語の伝統的なロマンスを書いていた20代を経て、やがてハルサイを手懸ける30代になって象徴主義詩人バルモントや日本の和歌と出合い、より土俗的な思想へと傾倒した様子で、ロシア語の伝承詩を好んでテキストに選ぶようになる。
このアルバムには仕掛けがあって、テキストとライナーノートは4ヶ国語で記されてるとあるけど、ロシア語の歌詞は音が並べられて、隣には主にフランス語訳が載ってる。
フランス語テキスト作者ラミューズへのフモレスクは台詞と歌で構成されたキャバレーソングで、これは本人を目の前にやられたら困るだろうな。

さて、そんな訳で、ロシア語は音としての韻を踏んでるようには聞こえる。

ストラヴィンスキーとテキストは避けて通れない問題だが、宗教音楽以外の声楽作品を否定したRVWの怒りは、恐らく英国の文化復興を推進する者にとって、同時期に同じテキストで作譜したので尚更だったのだろう、ストラヴィンスキーがシェイクスピアのテキストを読めないはずはなく、音節的もしくは意味に合わせた作譜が出来てないと怒ったのではないか、と邪推する。

このアルバム自体の仕掛けとして、シェイクスピア、ディラン・トマス、とマザーグースと思われてる当時の英国の政局を皮肉ったThe Owl and the Pussy-Catの3作品が並び、それぞれに音節の扱いが異なることから、やはりテキストをしっかり読み込んでいたことが伺える。

この歌手は英国訛りかも知れない。

ストラヴィンスキーの作曲技法は西欧的な伝統に根ざすもので、アフリカ(ラテンも含む)の伝統音楽に見るリズムオスティナートに乗せるやり方へ若干軸足をずらしながらも、中央ヨーロッパ風にオルガンポイントに依る所が多い。

こうなると、英語が苦手だったかを本当に確かめるには、オーデンとの仕事を聞いてみるしかないだろう。。。

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ストラヴィンスキー(1882.06.17(露暦05)-1971.04.06)簡易作品表
http://www.interq.or.jp/classic/classic/data/perusal/saku/Stravinsky.html
を頼りに収録曲を確認すると、「牧神と羊飼いの娘」「戦争に行くきのこ」以外の単声作品が全て収まってる。Brと指定されてるものも歌ってるので、ちょっと音域が緊張気味のディラン・トマスは面白い仕上り。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1262709

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
によれば、父親は自宅に20万冊の蔵書があったそうだ。
「ハルサイ」と「火の鳥」改定は著作権料が支払われないためだったというのは、なんだかなぁ。。。

Posted by: katute | 2006.08.31 02:12 PM

The Owl and the Pussycatはマザー・グースでは無くて
http://www.nonsenselit.org/Lear/ns/pussy.html
だった。

Posted by: katute | 2006.09.20 04:42 PM

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Tracked on 2006.09.13 02:39 AM

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