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2006.11.25

雑記

昨日からメールサービスが不調で送受信が出来なくなってる。回復は来週だろうか。自分の行動が縛られてるのが気掛かりといえば、そうだ。。。

昨日、雑誌時代の上司が癌で手術したと聞いて見舞いに行った。改めて当時を振り返ると魔窟のような状況にあったのだな。あれから15年以上経ってるので客観的に聞けた。なんて不条理な世界に居たことか。それを笑って話せるんだから時間の経過って凄いよ。
ちょうど三宅島噴火の頃で、南伸坊に原稿を貰いにいって腰を上げるたびに、紅茶や蜜柑を勧められて長居をしてしまったことを思い出す。

時間潰しにタルコフスキー『ノスタルジア』を観た。さすがにロードショーで観た時のあの呆然は感じられなかった。薄い物語と構図を得るための無意味なシークエンスの連続。所々でクスりとはしたけれど誰もピクリともしなかった。もっとも映像的な仕掛けでなく台詞の駄洒落だけど。
それにしても、なんて無茶な映画だろう。何を語りかけるでもない閉塞空間で、『黄金の壺』に閉じこめられてる訳だ、作り手側が。それに噛み付いてたのは山形だった、オタクの妄想だと(つまりキッチリ理解できてる訳だ山形は)。
音と映像の敷延は『鏡』『ストーカー』と続いてきたのだけれど、この映画の中では、それをライトモチーフと呼ぶには及ばず、機械的な繰り返し程度の印象でしかなかった。
映画が静止画になるというのは言ってみればブライアン・イーノのヴィデオ・インスタレーションの逆で、それはそれで面白い。
でも翻ってみると、これはヨーロッパ映画として、エトランジュ主題としたら、ルイ・マル、アントニオーニ、ヴィスコンティ、フェリーニ、(シェルタリングスカイの監督、なんて言ったけ?)、と並べるとどうだろう、特に変じゃない。
つまりタルコフスキーが撮ったってのが引っ掛かるだけで、それ以外に意味はない。ならば、ソ連が消滅した現在において、この映画はもう存在できないということだ。ロシアが消滅してソ連になった時代に外国に居てロシアを想うという構図だから、現在ロシアが復活してしまったのでミッシング・リンクは失せ一本につながっている。となれば、どだい成り立たない。

エリック・w・アリスン『七人の乗取り屋 ウォールストリートの仕掛人』
原題は日本語版では副題になってる方だ。もう20年前の本だけど、当時の、ここ十年間でなぜ企業買収が盛んになったのかを解くために特徴的な手法とそれを駆使して名をはせた人物の立志伝を追いながら、それら手口を検証するというスタイル。当時は未だ現在進行形だったために結論が出ていないが、いずれウォールストリートのうわまいをはねるのだろうことは想像にかたくない。
翻訳が現在の目で見ると気が利いてる。巻末に用語集をまとめてるが、それよりも本文中で、今やカタカナ表記されてる用語が漢字で示されるのが何とも楽しい。それを見るだけでもこの本を読む価値がある。
そう、マイケル・ルイス『ライアーズ・ポーカー』と併読すれば、きっと表裏一体のおかしみが味わえるだろう。


机の抽き出しから次から次へと昔の紙類が現われる。はじめは捨ててしまおうと、興味を失ったジャンルや情報価値が薄れた新聞雑誌の切り抜きやコピーは弾いてたが、捨てきれない。書籍のカタログ兼予約票、映画やイベントのチラシ、DM、チケットの半券、会員証やカード、展示会の目録。。。なんて雑多な!過去。どれもぼんやりと記憶にあるだけで鮮烈なものではない。
それでもいま見ると気になるものだ。この色使い、構図、レイアウト、登場人物、当時の状況など、まるでタイムカプセルだった。処分したことを後に後悔するのだろうか?それはまだわからないが、その時に買い戻せる類の物でないことだけは確かだ。
明日も引き続き本とCDを箱詰めする。
楽譜で躓かなければ問題ないが、箱が増えて眠れなくなりそうなのが難儀だな。

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Comments

オタクの世界観については、
梅田望夫の『スペシャリストとオタクはどこが違うか』
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20061124/p1

と、下記から山形浩生の当該記事を読むと参考になる。

その他雑文インデックス
http://cruel.org/other/otherindex.html

タルコフスキー『惑星ソラリス』:悪しき現実逃避映画(月刊『エスクァイア日本版』2006 年 2 月号)

 このタルコフスキーの話はどっかで書きたかった。ちなみに、ここで最後にふれている、すばらしいんだけれど今見ると萎える『ノスタルジア』、そしてその次の、あの最低最悪の映画「サクリファイス」というのは、まさに現在嘲笑の対象でしかないセカイ系キモヲタ作品とまったく同じ。自分のセコいだらしない欲望が、何やら世界の破滅を救うの何のという大仰な話と直結しているというアニメにありがちな妄想の話だ。たぶん多くのアニメとかは、数十年前のゲージツ映画とかの通俗版として解釈しなおせるんじゃないか(またはその逆も可)という気がする。

Posted by: katute | 2006.11.27 02:35 PM

ベルナルド・ベルトルッチ「ラストタンゴインパリ」とか。

Posted by: katute | 2006.11.29 05:49 PM

こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
映画「ノスタルジア」もとりあげました。
よかったら、寄ってみてください。

http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611

Posted by: kemukemu | 2006.12.10 07:08 PM

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