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2007.01.22

『悪魔の鍋』

なんてヘンテコな題名なんだろう。これじゃ売れないから読まないよ。
それで良いのかも知れない。
実際この本に書かれた言葉は控えめで現実の企業や行政を告発するためのものではない。
現代社会を生きる上で知っておいた方が良いだろう農業畜産物の現場と監督機関や行政や企業や報道機関などの習性を捉えたカタログとなってる。
普通に生活してれば知る必要もないし、これを読んだら恐くて食事が出来なくなるかも知れないが、そんなこと今更もう手遅れさ。生まれた時からそんなの食べ続けて来たんだから。

読み始めて座りの悪い想いが続くのは、この本がどんなユーモアに属すのかが微妙な点だ。英国流のウィット、フランス流のエスプリ、米国流のホラ話。それでも半分ほど読んでようやくほんのりと感じるのは無国籍風なジャック・タチの「ぼくの叔父さん」だろか。。。おまけにどこもかしこもユーモアに包まれて、まるでケストナーの大人向け風刺(ユーモア)小説みたいなとぼけた味を醸し出してる。
その例を示すにはどのページでも良いのだが、時節柄ちょうどお誂え向きのセンテンスがある。

「国の管理能力が衰退してる場合には、PL法はメーカーに責任をもって事業を行なうようきっかけを与えるチャンスである。行政の力が衰えれば金の力が取って代わる。法外な金額を請求されるおそれがあれば、節操のある商売を行なうようになる。これがアメリカのやり方である。多くの犠牲者に何百万ドルもばらまかれることは、ヨーロッパでは嘲笑の対象になっている。マクドナルドが熱いコーヒーで火傷させたため女性客に支払うよう命じられた270万ドルが再審で50万ドルに減額されたこともある。
このような補償金はアメリカ的原則の象徴である。公的規制をなくし、訴訟結果の責任を企業に押しつける。」(ハンス・ウルリッヒ・グリム『悪魔の鍋』家の光協会2001年7月1日初版発行 150-151項)

この本は現代人にとってユーモアの本だ。ユーモアは笑うためだけにあるのではない。生活をより深く味わうためにある。
"悪魔の鍋―「食」のグローバル化が世界を脅かす" (ハンス・ウルリッヒ グリム)

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