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2007.04.08

音楽と雑記

ハリソン・バートウィッスルのPANICが面白かったので、思い出してエサ=ペッカ・サロネンの作品集のサックス協奏曲を聞いてみた。北欧ファンには申し訳ないが、このアルバムは作者の20代後半から30代前半にかけての作品を収めてるので「年齢の割りには」と言うしかないもので、展開のための展開は避けるべきだと「ボレロ」の作曲者ラヴェルがRVWに言ったのを思い起こさずにいられない内容だ。現代音楽なんだから、という反論もあるだろう。あるいはそうかも知れない。それでも背負っているものがないというのは表現者としてありえない。
もうひとつ気になるスタニスワフ・レムのテキストに基づく声楽とアンサンブルは、またの機会に。。。

案内状をもらったので片道一時間掛けてギャラリーへ行き、御本人とも話して確認できたが、その作品は創作というよりは製作が正しい表現と言える部類のものだった。思想から発したのではなく東洋の形として表現に取り入れたのだ言うのだから。
出来栄えから見て商品としての“アート”への転身の道があるが、望んではいないらしいので敢えてその話しはしなかった。
自由な発想で鑑賞してほしい。つまり作品を見出だす行為が来場者に与えられるということのようだ。

自由な引用! あるいは見立て。

山口泉の「新しい中世が始まる」は、方法論が間違ってる。未発表の自作さえも引用するとはどうした権威付けか。「この人を見よ」以上の行為だ。そして巻末対談で文学の大先輩にお褒めにあずかってしまう。それまでの、批判精神は、冒頭に設定された反社会主義共産主義テーゼとしてのシモーヌ・ヴェイユ批判などの道の途中の出来事は整理されずに、ひたすらなイモ蔓式話題提供に終始しながらも、唯一見出だされた批判精神なるものは、なんだったのか?
しかしながら、この本は間違いなく現代の礎として今も重要であると称賛せずにはいられない。なぜなら、雑誌掲載以降のこの15年ほどに間に、記載されたほぼ全ての事項が実行に移されて現実の姿を現しているのは紛れもない事実だ。山口泉が批判していた相手は、ぬかりなく山口泉を学習し逢瀬ているのだ。そうして時代を息継ぎしている。

JOHN WOOLRICH
ULYSSES AWAKES(after Monteverdi)(1989)
IT IS MIDNIGHT,DR SCHWEITZER(1992)
TH THEATRE REPRESENTS A GARDEN: NIGHT(after Mozart)(1991)
A LEAP IN THE DARK(1994)
FOUR CONCERT ARIAS(1994)
ASV CD DCA 10494 おそらくBLACKBOXへ移行して廃版。
アリアのテキストはカサノバ、ゲーテ、ホフマンなどの英訳(声楽はジェフリー・バーゴンの方が面白いかも知れない)。
色んなジャンルの音楽が寄せ集められてるのとは違う。例えるなら、パフィーにふんだんにビートルズのリフが盛り込まれてるようなものだろうか。これは珍しい着眼と言えるだろう。
それを差し引いても「オデッセイの目覚め」は時代に記憶されるに十分な資質を備えてるだろう。ヴィオラの身振りの卓越した即興性は凡庸な演奏を許さないもので、RVWの「タリスの主題による幻想曲」と並ぶ英国の弦楽室内合奏曲として記憶に留めておきたい内容ではある。難を言うならもう少し余白が欲しい。

新井満の対談集を買って日野啓三だけ読む。日野って実際はこんなやさしい人だったのか。いや病み上がりで他者を甘やかすようになってしまったのではないかと思う。話してる内容は悪くない。どうも掛け合い漫談のような所があるけど。
書籍としてはダメだ。目新しいページ設計を心掛けたろうとは思うが、校正に疑問がある。そして帯にある、読み人知らずのエピタフの翻訳掲載という売文!
まえがきのある十行たらずのために、この本を買えというのか?

COLERIDGE-TAYLOR PERKINSON(1932-2004) A CELEBRATION
二十代前半から亡くなる年までの弦楽器を中心とした作品が収められてる。
23歳で書き上げたSinfonietta No.1 for Stringsから晩年まで作風が一貫してるのも見事、というか早熟であるなぁと感心する。
バルトーク、ヒンデミットのような欧風なのはモーツァルテウムで学んだ名残だろう。米国とするには違和感を覚える、バルトークの技法とアフリカとジャズが融合したクラシック音楽スタイル。
スイングはある、クラシックなので陽気と迄は行かないけど。陽気さだけで判断してはいけないと思うが、苦さがないのが不思議ではある。

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