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2007.04.11

読了、感想:車輪の再発明は続く

3.30に、"統計学を拓いた異才たち―経験則から科学へ進展した一世紀" (デイヴィッド サルツブルグ)を読み終えた。
人物伝の体裁で、20世紀の統計学革命の現場に居た人が綴った、評伝集みたいなもの。大変面白い人物が大勢(ルベークが嫌な奴だったのはガッカリ、コルモゴロフが天才・超人の域だったのはよく判った、とか)出て来る。"知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る" (日垣 隆)の教えに従って、付箋を貼っていたが、貼り過ぎて箒のようになってしまった位、面白い話が満載。
しかし、統計学の本当の基礎部分以外は、参考程度にしか説明されないので、教科書が別に必要。
感想は、後でまた書く。
それよりも、最終章近辺で著者が漏らしている『車輪の再発明』現象については、何とかならないのかと思う。
ここで著者が言っているのは、PCにより大量のデータ解析が可能になったために、以前なら、超人的努力の末に得られたような統計処理データが比較的簡単に得られるので、逆に、既に統計学では発見・開発済みの定理やテクニックが、異分野で、新発見・新開発として発表されている現象についてだ(複合ポアソン分布の名前が、異分野で色々勝手に付けられているのを挙げている)。
これは、決して、コンピュータサイエンス学科の歴史が浅いだの、数学教育がなってないだの、そんな事を言っているのではない。
著者によれば、今までに、数回、統計学科を、数学や工学、コンピュータサイエンスに統合できるチャンスがあったのに、いずれも成されなかったとの事。
統合の学として、千載一遇のチャンスを逃したと感じているようだ。
以前、読んだ、"ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する" (スティーヴン・レヴィット, スティーヴン・ダブナー)では道具として使う様がよく判る、と同時に、それが提示するものが学として成立しているんだろうか、と疑問に思ってしまったのは、(私の)統計学の素養の問題だろうか、この現象の気持ち悪さのせいだろうか。

また、最近、自閉症関連の本を読んで、人工知能に関しても、同じ事を思った。
自閉症者が困難を感じる『心の理論』の「サリーとアン課題」を、今の人工知能は簡単にクリアできるだろうけれど、人間知性に近いのではなく、逆に、人工知能が人間の知覚とは異なっている事の証では無いだろうか。
自閉症が、ある種普遍的な発達障害である事を考えると、自閉症すら発生しない人工知能は、別種の知能なんだろうなと思う。

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Comments

『車輪の再発明』現象に関しては、情報伝播もあるが業界が異なれば常用言語が異なると認識するしかないのではないかと思う。そうした「異文化間翻訳」をクリアするには情報の「(提唱者の定義としては間違った意味での)フラット化」が地平を平定するしかないのかとなんだか暗澹とする、なぁ。。。

Posted by: katute | 2007.04.12 at 10:21 AM

本当の意味のゼネラリストが出てくるしか無いね(自分が成ろうかと思ったのだが、人生が短過ぎる)。

Posted by: 金さん | 2007.04.12 at 05:08 PM

最近思うのは、鉛筆にも様々な鉛筆があって、道具は使い方まで含めて発明だ、ということ。
用途に合わせた鉛筆を発明すれば、それは新規発明と呼べるのでは?

Posted by: katute | 2007.04.15 at 09:22 PM

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