« 雑記 | Main | 雑記 »

2007.07.18

Night Prayers

ギヤ・カンチェリがクロノス・カルテットに書いた連作の中の一部で、弦楽四重奏とテープのための作品。ECM盤ではソプラノ・サックス、弦楽オーケストラと声楽テープになっていたはず。

このアルバムには旧ソビエト・ロシア関連の作曲家たちの作品が集められた。
冒頭は西シベリア地方の声楽アンサンブルをフィーチャーした地元伝承、ホーミーのような発声が聞こえる。
ウズベクのヤノフ・ヤノフスキーの夢見るような繊細なふるえ。
アゼルバイジャンの伝統音楽形式と楽器をアリ・ザデェが名人に模して書いた即興風幻想曲。
タタールの血を引くグバイドゥリナの弦楽四重奏曲4番はピチカートの技巧で出来ていて、終局にようやくアーコだ、普通に弓で弦を弾く。
チグラム・タフミズヤン(?)のアルメニアの民俗楽器がメロディを奏でる音楽と、次のゴリジョフの歌曲の間はもう少し間を入れてほしかった。
最後にタイトル曲。「神の復活のない日常」とでも訳すのか、シリーズを締め括るものだ。

さて、これはすべてクロノスの委嘱作だが、残念ながら音の密度というのか聞きごたえと言うべきか、音楽は聞き飽きないんだけど、何かの不足を感じる。

たとえば冒頭のシベリアのホーミーを聞いて、これが作家アイトマートフの世界に響く音かと畏怖を感じながらも物足りなさで終わる。音楽が短いだけでなく。
ヤノフ・ヤノフスキーの夢見るような戸惑いを描くには音の足さばきが宜しくない。
ムガム・サヤギはのちにアルバムを一枚作ったのでそれに譲ろう。
夜の祈祷での必然性の無さは演奏家と作曲家の距離にむしろ感無量。

グバイドゥリナという人は懐が広い。手を離れたら作品は演奏者のものと心得てる。

クロノスが独占することで流通を阻んだ結果、このアルバムでしか聞けない(?)。まぁ正しくはないけど、現状はそういう格好になってる(?)。

(政治や経済記事を読んでるとどうも皮肉な口調が良く身に付くので閉口する。)

|

« 雑記 | Main | 雑記 »

音楽」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference Night Prayers:

« 雑記 | Main | 雑記 »