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2007.08.27

読了「氷の海のガレオン」

"氷の海のガレオン" (木地 雅映子)
2007.08.22に読了。傑作。
文庫版("氷の海のガレオン/オルタ (ピュアフル文庫)" (木地 雅映子))を書店(ブックスルーエ)の平棚で見てから、ずっと気になって、何度も買おうか買うまいか、悩んだ末に、スゴ本の勧めを思い出して、図書館で検索したら、元本が所蔵されているのが判った。
表題作以外の収録作が文庫とは違うが、まず、読んでみる事にした。
孤独を自覚的に抱える少女(家族)「杉子」の視点で描かれる学校(小学校)を主にした世界と、彼女の「何かの」きっかけを描く。YAは読んでなかったが、これだよと言いたくなる。他より抜きん出て生意気な知識と自覚を持つ杉子は、小学校6年、クラスで孤立している。そのまま孤独を抱えて成長するんだと感嘆。少年ではこうはいかない(書けない)。弟のスズキがかっこ良過ぎだ。
誰にでも、少なくとも、本を読み始めた誰にでも、こういう孤立はやって来るものと思う。
拠り所が、本と高校の友人だった自分とは違って、杉子には本と家族とハロウがいる。小説としての幕切れは、吹っ切れた大人になる事を選んだ杉子の姿と言えるか。
収録作の「天上の大陸」の美福は、自然に解き放たれた杉子とも言える。ただ、ファンタジー色が強いので、面白いし、受け入れ易いが、私には表題作程のインパクトが無かった。
「薬草使い」の鳥子は、祥子から見た、杉子のその後の姿(高校生)にも読める。こっちは、もっと、地に足の着いた書かれ方でインパクトはあるんだろうなとは思うが、大人の男が第三者として読むと、祥子の悩みすら微笑ましくなってしまう(申し訳ないが、小説なので予定調和が見えていた)。
この2作は、ヒリヒリするような現実感が薄い気がする。表題が圧倒的すぎるのかな。
この本は、自分も経験してきた、既に子供でもなく、未だ大人でもない種族の孤立と自覚の話と言える。こうやってみると、我らは、それら2種族の混血なんではないかと思う。
結局、手元に置きたいので、文庫を最初書店で購入。文庫の解説に「ふつう」とか「特別」についての考察があるが、この部分は同意する。
「オルタ」は感想が書きにくい。後で書く。
で、この作者、12年でこれだけなのか。もっと書いてないのか?bk1にもAmazonにもこれらしか出てこないのだが。
PS. 今月のクレジットカードの会員情報誌の中で何かの編集長が、この本を推薦していた。




"氷の海のガレオン/オルタ (ピュアフル文庫)" (木地 雅映子)


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