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2007.10.21

キラールのポーランド

ポーランドのレーベルが三部作としてアルバムを編んでるので、ナクソスからリリースされてる二枚からその順で聞いてみる。
Bogurodzica (Mother of God)
Angelus
Exodus

キラールの書法がいとも簡潔で、のぶとい騒乱の空気でさえ一本の音で描き上げてしまう。
なるほど、こうして並べて聞くとひとつのオラトリオ作品のようだ。
神への不服申し立て、いや人間が発する命であるかのように轟かすキリエ・エレイソムの呼び掛け。
そして天井世界を夢見るような合唱。
楽天的だけれど、それでも長く果てしない異国への、栄光の脱出。

他の作品にも改めて耳を傾けると、この人は物凄く筆がたつ。
細やかな音の補正がなされていて気をつけないと見落としてしまうが、要素を最小に絞っているので、内容も簡潔であり濃厚な過剰さはない。むしろ映像を心掛けて受け留めると、非常に現代的な心象を描いていることに気付かされる。

ピアノ協奏曲の、あの白い風景はやがて思い出の景色であったことに気付き、郷愁への入口となって、心の中で歩き続ける。
こうした表出を必要とする何かがポーランドに現在あるのだろうか。そうでなければ、これらの演奏がここまでのヴォルテージである理由もないのだが。

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Comments

時々何かの符牒を背負った人物が現れるので、カチンスキも森事件と関係あるのかと思ったが綴りが異なるようだ。
でも「連帯」の立役者だからなぁ、符牒は生きてるのかもしれない。

Posted by: katute | 2007.10.25 10:38 AM

ほんとはオラトリオではなくミサを狙って並べたと思うけど典礼に則ってない。後半がないんだ。

しかし、それにしてもピアノ協奏曲でのキラールの書法進化が著しく見事だ。70年代と90年代だからね、では済まされない。
最近では「王と鳥」だっけ、に請われて音を付けてる。

Posted by: katute | 2007.11.09 05:14 PM

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