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2007.10.02

読了『行動分析学入門 - ヒトの行動の思いがけない理由』


"行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)" (杉山 尚子)

行動にのみ着目して、行動の原因となる心理を分析する行動分析の一般入門書。うっかり、著者の訳した教科書も買ってしまった。 "行動分析学入門" (杉山 尚子, 佐藤 方哉, マリア・E. マロット, 島宗 理, リチャード・W. マロット)

で、行動って何?となるが、著者は、オージャン・リンズレーの人を喰ったような、但し、間違い無く正しい定義を引用する。
『死人には出来ない活動の事』(P35)
これを出発にして、(条件反射とは逆向きに流れる)オペラント行動を確定して、その行動随伴性によって、個人攻撃を行う事なく、行動の原因を探る事が可能なったとし、次に、好子(正の強化子)を定義して、行動の強化を説明する。負の強化子は、嫌子で、好子の出現と嫌子の消失による強化、その対偶による弱化、を簡単な例を引きながら、判り易く説明する。
また、曖昧な指示を、具体的な行動のレベルに落とし込む事を、『行動的翻訳』と言うそうだ。これも好子になる。
シェイピングの例では、著者自身が、慣れない内は、2、3時間かかった鳩の行動のシェイピング(例のスキナー箱の実験)が、慣れたら、2、3分で出来るようなったという、指導者の方の力量の問題なんだな。
で、効率の良いシェイピングの3つの秘訣。
「即時強化」 目標を達成したら、間髪を入れず、すぐに強化すること。他の雑音が入らないように。
「目標は少しずつ引き上げる」 挫折を避ける。
「挫折した時の対処の仕方」 目標を下げるか、1つ前に戻るのだ!
ビジネスマンにも有効ではないか。
目指す目標までのプロセスを明確にすると、行動が完遂される可能性が非常に高まる。プロセスを1つずつ分解して、それをつなげるのをチェイニングと言うが、後ろからつなげる逆行チェイニングが非常に効果がある(つまり、完成手前までは手伝ってしまって、最後だけやらせて、うまく行ったら、最後から1つ前までやって、最後の2工程をやらせる、この順で初めの方まで逆行する訳。常に、達成感があるので、良いらしい)。
60秒ルール:『行動の直後の状況の変化』こそが、行動の増減を左右する。つまり、煙草吸って、即座に気持ち悪くなれば、煙草を吸わなくなるという例。この直後は、一応、60秒だそうな。
抹殺法:煙草をこの世から無くすとか、そういうやり方。
他人の注目が好子になる事もある(教科書にもあった)。
スキナーが来日した際の慶應での講演は『罰無き社会』。「嫌子によるコントロールを否定し、好子によって制御される社会作り上げる事」
嫌子の場合、(即効性はあるが)常に与えないと、効かなくなる。好子は、常に与えなくても良い事があるので、実現し易い。
『社会的悪循環』:何が、好子で、何が嫌子になって、その行動を強化してしまっているのか。暴言に反応する事で、強化してしまっているとか、色々。
ジョン・B・ワトソン:始祖。大学を追われた後、広告代理店に勤めて、自分の理論を元にマーケティング手法を作り、副社長にまでなった。
マンド、タクトという造語で、聞き手が話し手の言語行動を強化する事を示した。
言語の獲得と、PECSの説明。
ここで、指指しと、言語の関係が説明される。指差しも、マンドやタクトの1つなのだ。
で、最後に、言語が可能であるためには、私的出来事が、共有される保証がいるのだが、それを行動分析的に説明している。

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