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2007.11.05

読了『似せてだます 擬態の不思議な世界』

図書館で借りた。




"似せてだます擬態の不思議な世界 (DOJIN選書)" (藤原 晴彦)

虫屋ではなくて、分子擬態の専門家(分子生物学)。出版社に言われたからか、人間世界で対応するものを例に挙げようとするが、ウマい例は、あまり無いようである。
スローガンは、『情報交換の影には擬態有り』。
以下は、メモ。

「遺伝子に書き込まれたプログラムが、進化の過程でどのように環境に適応するように書き換えられたか」に帰着するという立場。毒蝶のゲノム解析に向かう訳だ。
豹柄、数理生物学的アプローチ。チューリングのよる拡散反応系によるパターンの生成(チューリングパターン)をモデル化して、式を立てている。
実際に何の物質が対応するか不明だったが、いかにもそれらしい文様を生成できる。今、熱帯魚等で分析できてきた。
分子生物学的アプローチ。常に発動して生命維持を行っている「ハウスキーピング遺伝子」とは別に、体を作る時にだけ発動するものがある。その中で、大半の生物に存在して、似たような働きをする「ツールキット遺伝子」があり、成長の特定の段階で発現して、目だとか足とかを作る(目を作るアイレスは、実際の構造が違う蠅でも人間でも同じ形をしている)。これを使いまわして、模様を作って擬態しているらしい。
『遺伝子ネットワークの組み合わせの変化』が適応進化の本質らしい。
脊椎動物の多くは、四種類の色に対応する目を持つ。哺乳類は逆に、二種類しか見えない。霊長類は、4000万年前に突然変異して視物質遺伝子の重複が起きて、旧世界霊長類(チンパンジーとか)は3色になった。167ページにコトドリの物真似!チェーンソーとか、モータードライブのカメラとか、機械も真似てしまう。
匂いによる擬態(ラフレシアの腐敗臭の花とか)は、「化学擬態」と言う。
蟻のフェロモン(巣毎に違う)を真似て、蟻の巣で暮らす虫もいる。『蟻客』と言う。
マラリアは、抗原(タンパク質の表面)を変化させて捕まらない。更に、無くても構わない抗原を持っている。これらを攻撃されても何も問題が無い。『分子煙幕』と言う。
『分子擬態』はもしかすると、自己と他者の区別を失わせるものなのかも。転移RNAに擬態するタンパク質が有名。

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