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2008.02.19

読了「不況のメカニズム」

小野善康『不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (中公新書 1893)』
小島寛之さんのブログWired連載等で知った、ケインズ理論の再解釈の書。
需要不足が引き金になって、貨幣が持つ流動性プレミアムが投資と消費を冷え込ませる結果、非自発的失業が大量発生すると言う展開は、平成不況そのまま、と言える。
自分は経済学素人だが、胡散臭い消費関数や乗数効果をキッパリ否定して、新古典派とその中に取り込まれたニューケインジアンの枠組みから離れ、ケインズの本来の着想(不況の発生原理)を展開させた明快な新書(モノグラム)として高く評価できる。経済学は、社会科学、社会心理学でもあると実感した。
個人的には、『自己利子率と流動性プレミアムp107』、『ゲゼルの貨幣スタンプ制度の紹介と、その限界p117』、『平成不況の金融論争p120 まとめと、今への応用』、それと経済学タームの『流動性の罠』や『合成の誤謬』の使い方が判ったかな。
著者の一番の(名目)目的は、社会の効率化。弱者に都合の良い富の再配分や、強者に都合の良い市場原理の誤り(完全雇用状態が大前提)を正す事。
ばらまきでは、改善しないのだ。労働という、保存できない貴重な資源をどう活用するかで、次の好況に備えるというのは、納得する。
だが、不況対策が実質存在しないと言う結論には、みんな不満らしい。アマゾンの書評もそう言う論調がある。でも、それも仕方ないんじゃないか?アラブ諸国のような独裁制(ここを参照)でないと、需要そのものを強引に作り出すのは不可能でしょう。

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