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2008.05.04

もはや戦後である

岩波新書 D130 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』

読み始めて随分と掛かってしまった。
昭和のそれぞれにエポックがあるので、それを丁寧に読み解くべきなんだが、通勤で読んでたので、メモを作ってない。

それで記憶に新しい所を、無断引用。

『昭和史』
� 戦後世界と日本
3 二つの世界と日本 から「ドッジ・ライン」

 アメリカ対日政策の転換は、四九(昭和二十四)年には明確にあらわれてきた。四八年十月、芦田内閣がたおれ、中道政権の破産が明らかになって、民主自由党単独による第二次吉田内閣が成立したが、与党が少数のため四九年一月、戦後三回目の総選挙が行なわれた。この選挙では、中道内閣によって国民の信頼を失った社会党がいっきょに三分の二の議席を失い、民自党が絶対多数を獲得した。そして社会党に代わって共産党が、三00万票を獲得し、四名から三五名と大きな躍進を示したこともこの選挙の大きな特徴であった。
 議会における絶対多数の上に立った吉田内閣は、アメリカの新しい対日政策の線に沿って、国内の経済政策をおしすすめた。四八年十二月、アメリカ国務、国防両省は、日本経済安定計画の実施を発表した。これはいわゆる経済安定九原則で、単一為替レートの設定、予算の均衡、補給金の整理、徴税の強化など一連の施策を行おうとするものであった。すなわちアメリカは対日援助の負担をへらしながら、日本経済の対米従属と軍事化をすすめ、これを実現するために国民生活の切り下げと企業合理化によるコスト引き下げを強行させようとするものであった。四九年二月には、デトロ
イット銀行頭取のドッジ公使が来日、三月には、九原則をさらに具体化した予算案を政府におしつけた。そしていわゆる「ドッジ・ライン」が強行されることになった。
 ドッジ・ラインは、四九年五月、来日したシャウプ博士の勧告による税制改革によって、いっそう強化された。これは「税制の近代化、徴税事務の改善」を名目に、税収の増加をはかったものだが、結果は、源泉徴収を強化し、住民税を二倍にするなど、とりやすい大衆課税をふやす一方、資本の蓄積をはかるため法人の超過利得税、高額所得の累進課税を廃止し、独占資本擁護と大衆収奪の性格が濃いものであった。四九年後半から、ドッジ・ラインの進行によって、デフレ不況となり、物価の下落、中小企業の破産、失業者の増大など、国民経済は深刻な強行状態におちいった。
 こうした日本経済をアメリカ経済に従属させて再建しようとする施策は、革命運動、労働運動に対する弾圧の強化を条件とするものであった。四月には、吉田内閣は、開会中の国会にもはからず、ポツダム政令として団体等規正令を公布した。これは、法務総裁の認定によって、暴力主義ときめた団体をいつでも処分できるという、言論・集会・結社の自由をおびやかす法律であった。さらに五月には、労働組合法および労働関係調整法を改訂し、政府が「公共事業」と指定した分野の労働運動はいつでも争議権を抑圧できるように改めた。
 こうした労働法規を改悪し、弾圧体制をととのえた上で、吉田内閣の最大の政策として「行政整理」すなわち官業労働者二六万人の首切りと、「企業整備」すなわち民間産業労働者三0万人の首切りが強行された。これは、大規模な首切りであるばかりでなく、共産党や活動的な組合員のすべてを追放しようとする目的をもつものであった。これにたいして労働組合の反対闘争は当然たかまろうとした。ちょうどそのとき、下山国鉄総裁死亡事件、三鷹事件、松川事件が相ついでおこった。
 政府は事件がおこるとただちに、共産党員や労働組合員が「暴力革命」の企図からおこした事件であるかのように発表し、新聞やラジオもこれをうけて大々的に宣伝した。占領軍や政府はこれを利用し弾圧をいっそう強化した。官業労働運動の先頭に立っていた国鉄労組、民間産業労働組合の中でもっとも活発であった東芝労連は、松川事件にひっかけられて、闘争力をそがれた。

(引用終わり)

この後、日本は朝鮮戦争、サンフランシスコ講和条約の締結。
こうして日本は国連を無視して一方的に対米従属を強行する。

二大政党など最近耳にする政治問題もすでにここには記されてる。

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