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2008.05.10

木下玲子『欧米クラブ社会』

雑誌フォーサイト93.3〜94.9連載からの単行本で『インフルエンシャル』『プライズ』と三部作の締括りになる。
前二作を未読なので全体像は判らない。
もう十年以上も前の世界情勢をいまさら読んで面白いかと聞かれれば、面白いと答えよう。
取り上げられた団体は厳密にはクラブばかりではない。外部から伺え知れない組織を取り上げて垣間見せてくれる内側は、取材と締め切りに制限された、理想形なのかもしれない。
そうした、及ばなかった不足は後書きに懺悔されているので責めるつもりはない。
ただただ世界の厚みと、その仕組みを味わうだけでも十分ではないか。
この取材連載期間で、よくぞこれまでと、むしろ取材者の姿勢を認めざるを得ない意欲的な著作だろう。
こうした組織と考え方、そのスタイルが今日も世界を規定して動かしている。
その歴史に立ち合うには、このページ数では十分ではないが、そうしたステージがあると知らしめたことは称賛に値する。

『アメリカン・バブル』を偶然入手したので読み始めると、格段に密度が上がっているので驚いた。
「祭りのあと」を描くに「祭り」を照射して炙り出す本だろうと期待する、クリントン健忘症の処方として。

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Comments

迂闊。これはニュー・ジャーナリズム手法の、世紀末アメリカを舞台にしたドン・デリーロ『ホワイト・ノイズ』の実写版。英語タイトルにAmerica X、Xはexperimental。
なので『欧米クラブ社会』などを陰謀論で読もうとするのは全くの誤り。
では、フューチャリストか?否。
何故なら設問は見事に社会を照らすが答は出していない。

Posted by: katute | 2008.05.14 at 02:42 PM

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