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2008.09.06

読了『発達障害の子どもたち (講談社現代新書 1922)』


杉山 登志郎『発達障害の子どもたち (講談社現代新書 1922)』

本来は、発達不調、発達失調と言うべきと言うのは、得心がいく。 虐待によるADHD様症状は、乖離や幻覚、ADHD類似等、悦楽の園の状態にそっくりだった(自閉と虐待の合併か)。これは、元々が、適切な療育治療で大幅に改善する症状なのだ。よく調べて書いてあった訳だ。 後は個人メモ。

7 『しばしば伺う質問』がすべて誤解、誤りなのは、驚き、というか、自分の不明を思い知る。つまり、病院では直せない、療法等はお稽古毎であり、家庭での毎日の療育が必須。偏食も直すべき。集団に入れるかどうかは個人による。自主性だけでは何も出来ない。
9 知能検査について。必要性は、医師に任せるべきか。これは目安なのだ。
12 事例紹介。抗うつ剤(つまり二次障害なのか)。薬が効いた事も返って判りにくくなった。
15 もう1つの例。初診4歳。指示を理解しない。発語はすうご。母子通園施設から初めて、小学3、4年のハードル(9歳の壁)を先生の協力で越えて、中学は特殊学級へ。うまく適応できた。がキャッチには捕まり易い。
20 一生なおらないとか、普通教育の方が良いというのは、誤り。社会で自立して生活できるようにするのが、教育。
21 通常でダメなら特殊へ、というのは、誤り。
27 受精時のリスクについて。自然流産の約半数に染色体異常があるそうだ。但し、単純な因果関係に結びつけないように。
32 杉山先生の考える療育のゴールとは。自立。これは次の3つ。1.自分で生活できる。2.人に迷惑をかけない。3.人の役に立つ。ここまでが、社会的な発達。
35 遺伝的素因は高リスクをもたらすが、それが全部じゃない。遺伝的素因があれば、早期療育の可能性があるという事だ。
37 例として、小さい扁桃体はPTSDを生じ易いが、小さい扁桃体になるのは、虐待体験らしい。これらが積み重なってなのだ。
39 発達障害が増えているらしいと言われるが、生物学的な素因があるのは確かだが、引き金になる環境因もあると思われる。と。
43 『障害』という言葉のニュアンス。統合失調症に習って、知的失調症、後半生発達失調症、注意欠陥多動性失調症等を提案。
45 (異常と考えるのは今や完全な誤りである)発達障害とは、個別の配慮を必要とするか否かという判断において、個別の配慮をした方がより良い発達が期待できるのである。
「発達障害とは、子供の発達の途上において、何らかの理由により、発達の特定の領域に、社会的な適応上の問題を引き起こす可能性のある凹凸を生じたもの」
48-49 発達障害の第4のグループ、子ども虐待。この表も重要。
53 精神遅滞についての説明。自閉症との合併について。
61 境界知能について。14パーセントがこのレベルに入り、小学校教師の力量によって9歳の壁を越えて、正常知能になる事が多かった。
発達障害児の知能にはばらつきが多いので、境界知能に判定され易い。
ばらつきの見極め(何が得意で何が不得手か)重要。
重要なのは、小学校教育での体験だそうだ。
70 自閉症の3つの症状。
72 逆転バイバイ。愛着行動に遅れがあり、親から簡単に離れてしまう。逆転バイバイは、普通のバイバイをするのに必要な体験に障害があるから。
78 自閉症という謎。レオカナー。
79 自閉症の精神病理の基本は、対話の際に雑多な情報の中から目の前の人間の出す情報に自動的に注意が絞り込まれる機能がきちんと動かない事、一度に処理できる情報が非常に限られているという事の二点である。
情報の中の雑音の除去ができない、一般化や概念化ができない、事物表象を問わず認知における心理的距離が取れないの、3つになる。
83 (記憶における)タイムスリップ現象
84 解離の使い分け(=仮面)。また、意識を飛ばす。
85 認知の穴。狭い認知の中で世界を解釈せざるを得ない結果の社会的な障害(半年が経つのに、クラスの大半の人間の顔が判らないとか。これだと、クラスという単位の存在に気づかない)。
89 自閉症者であっても、認知の特異性にも関わらず、その感情の持ち方は、健常者と同じ。異文化ではあっても、異星人では無い。
90 孤立型。受動型(一番適応し易い)。積極奇異型(知能が高くても挫折し易い)。
91 構造化の必要性(雑音の除去)。こだわりへの対応。見通し(スケジュールカードとか)。
105 スクールカウンセラーの力量は、自閉症への理解の深さに。過去、不適切な対応があった。
112 9から10歳で高機能自閉症者も心の理論を持つ、が、推論を重ねて理解しているらしい。ここで、学校でのイジメ体験が重要。心の理論を持つ前後にイジメを経験すると、対人関係を被害的に受け取り易くなり、イジメが終わった後に、パニックが出易くなる。
113 性同一性障害を引き起こす事も多いらしい。<ダニエル?いや、彼は、違うな、男性を求めてるだけだろう>
123 発達障害児が不登校になったときは、登校刺激をしないのは、間違っている!
126 (アスペ・エルデの会)サポーターズクラブは、小さいときからの交流で育つしかないらしい。この辺りでは、どうにかならないのか?
131 ADHDは、アドレナリンとドーパミンの失調らしい。薬とは別におだてまくるのが良い。
149 愛着とその障害。虐待。愛着は、母親が8割。兄弟15%。残りが父親。
広汎性発達障害か、反応性愛着障害かは、診断可能。反応性愛着障害は非常に激しい虐待でしか起こりえない。
ADHDと、虐待性多動障害は区別が難しいし、治療も逆なので注意が必要。例では、悪夢を繰り返し見る、お化けの声が聞こえる(解離)、朝は機嫌が悪く動きが悪いが、学校に行くとそわそわと落ち着かない。
157 解離とは。記憶の障害:ブラックアウト、遁走エピソード、技能知識水準レベルの動揺、フラッシュバック。解離の過程症状:離人感、被影響体験、解離性幻覚、トランス体験、交代人格状態、スイッチ行動、解離性思考障害。
176 行動パターンの修正が大事。
181 大人との正しい関わり方。規則正しい生活。
183 偏食は直すべき。2週間かけて少しずつのつもりで。
情報も制限すべき。
187 身辺課題。発語よりも言葉の理解。その前提は、模倣の能力。指遊びやリズム体操。後模倣という後で思い出しながら真似るのが出来れば、イメージ能力が出来た印。園のスモックを見たら登園と理解できれば、状況判断力がついた。つまり、遊びや身辺課題はすべて、表象能力の前提で、コミュニケーション能力よりも上に来るのだ。
話し始めるには、30から50語必要。単語が出てしばらくすると、おうむ返し、そこからはコミュニケーション可能な発話まで後一歩。
188 スプーンの課題も、2週間くらいで。
189 具体的な目標。
家での療育が基本。
197 特別支援学級の教師は、通常の教員が中心。発達障害の専門家は少ない!特別支援学校は、特別支援教育教員免状を持つ教師が原則配置。
原則:子供が、授業に参加できるクラスを選ぶ!
200 『通常学級で周りの子供達に助けられながら学ぶのは良い影響がある』は間違っている。周りの子には良い(偏見を持たなくなる)が、本人にメリットはない、自尊感情の低下や、助けられて当然の誤解をもたらす恐れ。
201 学校の選び方。特別支援学級は、座って授業が受けられる子が対象だ。迷った場合には、入学前なら、試し入学を勧める。
上の学校に行く程、支援学校の生徒が増えるのは、やはり、適正就学が出来ていないからだろうと。
209 専門教育も水増しがあるので気を付ける事。
230 社会人として生活していて、投薬を受けていない発達障害の青年達にも、やはりPET画像には異常があった、つまり、療育がうまくいっているのだ。
あとがきの要約:『本当に必要な事が伝わっていない、発達障害の治療に関する誤解と偏見が残されている!だから、この本を書く事にした。』

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