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2008.09.04

CD試聴記

ALLAN PETTERSSON : MESTO・SYMPHONY NO.2
STIG WETERBERG / SWEDISH RADIO SYMPHONY ORCHESTRA
皆はAPと略すが正式にはGUSTAVがファーストネームなので私にとってはGAPだ。
自伝的に聞くことが流行ってしまったのは作曲者自身の発言もあるけど、作品と作家を同一視する必要はない。
もともと、弦楽合奏のための協奏曲第三番の緩楽章として書かれたメストは、表情記号というよりも速度指示と考えて良いだろう。同一モチーフによる二つの気分を往き来する形式はロンド・ディヴェティメントと呼ぶに相応しい。
無調と民謡調の応酬は、はからずともある種の感慨を呼び起こすものだ。
作曲家はその効果を知りつつ曲を構成してるのであって自伝やエッセイを書いてる訳ではなく小説として作品を描いたと考えたい。つまり十分に野心的かつ戦略家だった、と。
裏返しの松村禎三。
そうした観点から交響曲第2番を聞くと、この曲の構成はオケコンだ。導入部での菅楽器の登場、特に金菅楽器が気負いすぎて不自然に聞こえるけれど以降は曲調に馴染んでしまってるので、やはり意識的な提示と考えたい。そして単一楽章の中で休符を挟んでセクション移動する。「答えのない問い」ではなく「問いのない答え」を聞く、思いがする。
解説には明記されてないけれど、録音時期を考慮すれば、確証はないけれど、この演奏に作曲者自身がヴィオラに参加してた可能性がある。

ECOUTES CONTEMPORAINES
ALEXANDER RASKATOV
まったくの勘違いをしていた。
そうか。古典的教養に基づく擬古典主義ってヤツだ。どの曲もまったくが素晴らしい。「擬古典=反古典」の実践でもある。ウトヴォルスカヤを聞くならお薦めだ。
う〜む、こういう何かがロシアでは始まってたのだなぁ。。。

Ivan Fedele :
Scena
Ruah
Concerto per violoncello
音の動きが見事、フィンランドの現代の前衛を想う。描き込みも手が込んでいて隙がない身振りを見せる好い仕上がりだ。
これは録音がこうした音響を理解した音色に仕立てているのだろう。
一曲目はスカラ座オケの委嘱で初演指揮したムーティに献呈された。
二曲目はフルート協奏曲。若干キー操作が耳障りな箇所があるのが残念。
解説文タイトルの Archetypes and Memory. は三曲目を指してるのだろう。古典形式とその記憶(想い出)。四楽章は独奏とオケのソロパートの二本のチェロだけで回想される。

TANIA MARA
歌いっぷりが見事で声も安定してる(ヨーロッパ歌謡ではありがちな気もするけど)。
一曲目の作り込みに感心して聞き進めるが、フェードアウトが中途半端で余韻が削がれる。次々と繰り出す印象を演出したいのかと思ってみたがトラックダウンが雑なだけらしいことが聞く進むうちに感じられてくる。エンジニアもディレクターもちゃんと仕事せぇよ。
曲はバンドブームを吸収した後のプログレっぽい味付けをした80〜90年代の日本の歌謡ポップスに近い。合いの手が歌謡曲らしい古典的な範疇で、むしろしっかり作ってある。
なのでこれ、最も聞かない部類に入る。
余談だが、一緒に仕事してる20代後半のデザイナーはズンドコしてるクラブがお気に入りで、最近の傾向だと「トライバルで切ない系」なのだそうで、聞いてみるとアフリカの童謡のようなメロディーにモールス信号みたいなリズムが付いてる。まぁシンプルで面白い。
さらに余談だが、本屋のBGMでヴィラ=ロボスで覚え知ったブラジル民謡を引用したシャンソン風の歌謡曲が流れてるのに驚いたことがある。


Swedish Society『Pettersson: Mesto; Symphony No. 2』


Stradivarius『Ivan Fedele: Scena; Ruah; Concerto per violoncello』


Tania Mara『Tania Mara』

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Comments

「トライバルで切ない系」な訳ではないけど、最近の音作りの例として。

AquesTone など
http://d.hatena.ne.jp/KZR/20080831/p1
>音よりもむしろ手が気になる。

オーディオ・ドレッグス:ポートランド発のアンビエント・ミュージック
http://pingmag.jp/J/2008/08/18/audio-dregs-ambient-noise-from-portland/
>3つは多過ぎるけどエンベットを2つ同時に鳴らすとちょうど良い気がする。

Posted by: katute | 2008.09.09 at 03:04 PM

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