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2008.10.13

CD試聴記

Karl-Birger Blomdahl
The Three Symphonies
セーゲルタムの解釈は実に優しい。
それもそのはずで交響曲1番(1943)が27歳、2番(1947)が31歳、3番(1950)が34歳なのだから、青年の清々しい作品として捉えようというのだろう。
ペッタションの師匠としての片鱗を見たいと望んでいたので、顕著な例として1番の第1楽章に頷いてしまう。ペッタションが破棄した幻の交響曲第1番を想像してみる。
各楽章毎が独立した交響曲のようにも聞けてしまうので第3番で単一楽章になったのか。
でも第2番の第2楽章なんて素敵だ。
作曲家はRVWの戦争交響曲あたりをやってるいんだろうけど、若過ぎて渋味が出ないんだよね、みたいな演奏である。

Alemdar KARAMANOV
Symphony No.3・Piano Concerto No.3
何をするのか期待しながら耳が泳いでしまう音楽。
交響曲はミニマルっぽい萌芽はあるけど、終楽章でジャズをやろうとして幕を閉じるのが性急で、余韻がない。
ピアノ協奏曲は特に注目すべき技法は登場しないけれど、スクリャービンを思わせるパッセージに耳が引かれた。

THE ORIGINALS
CHARLS IVES : Three Places in New Ingland
CARL RGGLES : Sun-treader
WALTER PISTON : Symphony No.2
アイヴズは実にまぁ今となっては普通の音楽よのぉ。大気の流れ具合がイマイチなのは演奏のせいかしら。
ラグルスも、今更であり噂ほどでもない、当時は凄かったんだよ、の類。
(次にカウエル作品が来るのが順当かなと思うけど器楽編成で大きさが足りないのか。)
ピストンは穏健な田園風の音楽。あぁなるほど、音響位相が個性的な作品を集めた訳で、続けて聞くと山の天候を聞いてるような気がする。
と、そうではなく、聞くほどにティルソン=トーマスのアゴーギグの粘りの無さが美味く感じられるおかしな感覚に陥ってゆく。
全面に霧が張り出したように音がやってくる。どれほど肌に風を感じるかは、その時によって異なるけれど、こうした演奏が成立してその後の演奏を切り開いた記念碑として評価されるべきなんだろう。
アイヴズは三つの場所でそれぞれに技法的テーマがあるようだけど、サンプリング、リミックスで聞き手の記憶と期待を裏切りながら進む。(ラテン文学を読むならこうした感触は理解しやすいのではないか。)場合によっては著作権は大丈夫?と気になるが、もしドン・デリーロを映像にするならこういう音を付けてほしい。
ラグルズの原始主義にレヴエルタスを想わずにいられないけれども、情動敵でない。その歩みに雷神風神を思い浮べてもいい。
ピストンがロマン派風に伝統的な二つの主題が拮抗する書法と取るのが何やら簡易版ブルックナーといったおもむき。それよりボヘミア風なドヴォルザークを想わせるか。
このアルバム、ちょっとした紀行映像を見てるように思えてきた。

Ernst Krenek
Reisebuch aus osterreishischen Alpen,Op.62
Fiedellieder aus dem 《Liederbuch dreier Freunde》,Op.64
「オーストリア・アルプス旅行の思い出」と「ヴァイオリン弾きの歌《三友人の歌の本から》」ということか?
バリトンのWolfgang Holzmair歌うPHILIPS盤。
ふるい絵はがき帳みたいな紙ケース、重さを計算ミスしたらしく対訳歌詞帳の方が破れ落ちそう。
正統ドイツリートを装いシューベルトのように始まりマーラーを偲ばせながらも過ぎた時代の作品であると思い起こさせる。

BETIN GUNES
ICH WILL DIR ETWAS SAGEN
トルコの指揮者・作曲家でドイツのレーベルからのリリース。
この紙ジャケットもちょっと気になる作りで、表の人物を配したイラストの意味が不明だけれど、左右を開くと中はモノクロで左に楽団、中央に作曲家、右はドイツ語の解説。左右の袖を更に下方に開くとジャケット表の向き合っていた二人の人物がふたたび現われ、その間に作曲家がこちらを向いて立っているという構図になる。
現代(の)音楽は現在のポピュラー音楽をも含むという例。ヨーロッパのポピュラー音楽がやたら民俗風だったりするのも無理からぬことなのだろう。
RESPEKT はピアノ協奏曲か。
CLANSTR はクラリネット協奏曲。
ALI EKBER CICEK の編曲。ブルータルなアクサク・リズムが炸裂する民謡調の作品だけど中間部では拍子が同じということかカッチェイ魔王が踊りペトルーシカ謝肉祭が繰り広げられるのはムーア人へのコメントなのだろう。
MEERBUSEN はインスタレーションかとも思ったけど、初期プロコフィエフっぽい、ピアノ協奏曲3番とか。トルコはバルトークじゃないんだという作曲家の意思表示かも。
CEMAL RESIT REY の編曲。原曲よりも更に民俗色濃厚なアレンジでハンドドラムとウード(?)が活躍する。ブルーベックがトルコ音楽に接して take five を作ったような、ジャズ・セッションのような展開。
その気分を持続する BANADAPIYA はちょっとしたコンチェルト・グロッソ。
このアルバムでやたらと鳴るピアノは指揮者である作曲者自身が弾いてる。

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