本と装丁についての若干の雑記
常盤新平『彼女のアメリカ』
これは女性誌と発行・編集者らについての、雑誌への情熱についての、(主に)彼女らについてのエッセイ集。
その時代の表情が実に巧みに捕らえられて記録されてると思う。
ただ物書きが全員のらくら者であったような誉め方をしてるのは今から見ると奇異に映る。
そうしたことも含めてすべてが過去となり失われてしまった感がある。
特には初めて、この本を見た時の驚きは、装丁にある。当時の先端を捉えるつもりで作られてるのだが、その版面の読み悪さ。それは細い明朝文字がカッコに括られた誌名のカタカナと漢字とが入り交じって組まれてる見づらさからだろう。
装丁の面白さは、版元である新潮社が当時の先端として時代を切り取って見せた自負を感じさせるもので、当時の新雑誌の斬新であったイラストとその感性を注ぎ込んだろうことが伺える。
そう言えば確か、西垣通『デジタル・ナルシス』は横組用の写植文字を縦に組むというトンでもない代物で、文字センターがガタガタだった。
必要なら『ザ・サーチ』を介入させても、モイセス・ナイム『犯罪商社.com』は、ニコラス・ネグロポンテ『ビーイング・デジタル』と併読するのは、『人類の星の時間』と『七悪魔の旅』とを併読するのと同じくらいに良いと思う。
後者の組はフィクションだけど、前者はそこから今が繋がってるのだから避けるわけに行かない。
こうした背中合わせは自分でバランスするしかない。
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