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2008.11.25

日記風メモ:11/22-23

22日
午後遅くになって町田に出掛ける。
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ピラネージ版画展2008
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23日
都立大駅めぐろパーシモンホール(小)で日本・ノルウェー音楽家協会第16回演奏会「ガイル・トヴァイト生誕100年記念 ハルダンゲルの響き」
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22日
午後遅くになって町田に出掛ける。
駅からの道は確かめておいたのだが散々に迷った挙げ句の閉館30分前に建物に到着。かんぽ施設なのにこんな辺鄙な所で駅からの誘導も不十分、雪が降ったら素敵なゲレンデになろう傾斜の坂道を下った。
ユルスナール『ピラネージの黒い脳髄』を以前に読んでいたのでその黒々とした幻想に眩暈をおぼえる覚悟だった。けど違った。
18世紀のローマ遺蹟発掘現場の版画はジメジメと寂れた裏街道や人気の失せた石造りの遺構だらけだった。
ユルスナールの論考にあった牢獄は、版画製作当時のファンタジー界での流行であり、これを取り上げるのも19世紀末から20世紀はじめの流行でもあったそうだ。
ローマの遺蹟の妖しさに比べたら牢獄の黒はものの数ではなさそうだと判断して、遺蹟発掘の遺構を中心に見直す。
当時の地図、建築用具、工法の解説を兼ねた視線を書き入れた縮尺図はやはり建築家だからこそのサービスで色んな情報が同時に盛り込まれてる。
印刷が気持ちに入ってこなかったので図録は買わず葉書を眺めたが捉われたくない気もしてそれもやめた。
常設展は目も呉れず退去。
坂の途中で立ち止まる人を尻目に一気に早足で上がると普段の運動不足からだろう太股より尻が痛い。

ピラネージ版画展2008

芸術海岸 / ピラネージ(上):廃墟図

ピラネージ画像データベース

Architecture on Paper


帰りの電車でとうとう、塩野七生『わが友マキアヴェッリ フィレンツェ存亡』を読み終える。
「現代のローマにバロックの都という印象が強いのは、この時の掠奪で、ルネッサンス時代の建物の八割が、焼かれたり破壊されたりしたからである。これほど徹底した破壊は、西暦五世紀の西ローマ帝国崩壊時まで、遡らねばならないといわれる。住民も、身の代金を取れそうな者は捕囚の身に、取れそうもなかったり、少しでも抵抗した者は殺された。そして、夏、ペストが襲ってくる。」
そうか、それでローマの遺蹟は泥に半分埋もれ崩壊していたのだな。
塩野の著書は初めて読んだ。以前から興味はあったが切っ掛けを逃していた。
今回は偶然手にし、モラン『獅子座の女シャネル』に続いて、「人は自分の運命に復讐する」と勝手に命題を設定してたから、マキアヴェッリの時代のイタリアの香を愉しみながらページをめくった。
歴史の重さ暗さのようなものだが、それは自然と茂る壮大な野性の森林のようで、むしろ清々しい。
塩野の企ての見事さは何より同年齢を自身が経験しながら対象人物を描くという一生一度の作業を挑んだ潔さに尽きる。
そして、マキアヴェッリが抱いた指導者像は、ヴィルトゥ(才能、力量、能力)、フォルトゥーナ(運、幸運)、ネチェシタ(時代性、時代の要求に合致する)を合わせ持つというのは実地で経験したことなので賛成だ。
しかしながら、マキアヴェッリは諜報員として重宝されたのであって政治家や役人として重用された訳ではないだろう。だからこそS.モームは『今も昔も』なんてタイトルで評伝をものしたのだろう。

23日
都立大駅めぐろパーシモンホール(小)で日本・ノルウェー音楽家協会第16回演奏会「ガイル・トヴァイト生誕100年記念 ハルダンゲルの響き」
という色々つまったお徳用パックを聞いた。
会場は元の都立大跡地だろうか?
(兄:その通り。)
トヴェイト音楽の力強さと強引さと構成の複雑さを茶目っ気に聞きながら、ベーゼンドルファーでなくともスタインウェイでも弾けるんだということが面白かった。
「バルドゥルの夢」の「太陽神の踊り」のルネッサンスな響きに度胆を抜かれる。ローマの神が踊ってるといっても通じるだろう。オーケストラで聞いた音楽とは印象が違う。そうか北欧はルネッサンス以降が現代になってるのだろう。ロマン派創設を目指したのがグリーグだったのかも。トヴェイトの民謡の扱いは同時代の作曲家らの技法を取り入れてはいるけれど、取り上げたメロディ自体はルネッサンス期の姿をしてるのが遺跡発掘っぽい。
民謡歌手を交えてのハーディングフェーレ(地元のヴァイオリン)も、まったくルネッサンス音楽の構造だった。そうした心性を聞くとキリスト教とバイキングとハンザ貿易が同時期に北欧で伝播してたのが妙に生々しく思えてくる。
そうそう会場にいた青い民族衣裳の人はサーミだったのだろうか?

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