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2008.11.14

読了『数学迷宮』

小島 寛之『数学迷宮―メタファーの花園に咲いた一輪のあじさいとしての数学』
これも図書館で借りた(というか、既に市場には無い)。

きれいで、変な本だ。
処女作には、その作家のすべてが出ていると言うけれど、本当だった。

第1章を数学ガールに対する数学ボーイズに例える向きもあるが、そう言う感じではない。扱うのが、カントールの無限濃度と対角線論法のみだし。自主的に数学を学ぶ訳ではなく、否応無しに、可算集合・非可算集合の対立する世界に巻き込まれる。それでも、面白い。舞台は1970年代初頭ではないだろうか。
4つの章に分かれていて、SF小説、普通のエッセイ(但し、無限から無限級数、経済学まで行ってしまう)、数学ネタのラジオDJ、カントールへの手紙となっていて、後書に当たるブックガイドもそれぞれに対応した書き方になっている。
最後まで読むと、全体的には、カントールの立場への讃歌であり、遠山啓先生の業績への謳歌である。近著と同じ主題で、何故数学でつまづくのか、その原因に対しての、当時の回答の一つが、クロネッカー主義者による誤った数学教科にあったと言うのだ。
(英文タイトルが、Cantor Requiem)
ところで、遠山先生の教育法については、銀林浩先生の銀林 浩『どうしたら算数ができるようになるか 小学校編―お母さんとお父さんの教育相談』とかかな。自分は、大学の時に、ファン・デル・ヴェルデン『現代代数学〈第1-2〉 (1959年) (数学選書)』のお世話になった。

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