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2008.12.09

CD試聴紀

Manuel de Falla : Atlantida , El amor brujo
作者が未完にしたカンタータの補筆完成した版での再演の模様。

ROBERTO GERHARD Cancionero de Pedrell
ペドレルのもう一人の弟子ヘラルド。
Alegrias ‘Divertissment Fkamenco’

Cristobal Halffter Orchestral Works
Odradek(1996)
Dortmunder Variation(1986-1987)
Tiento del primer tono batalla imperial(1986)
ファリャの未完のオラトリオを補筆完成させたエルネストの甥。

TRIO COGHLAN
Para los kioscos,fuentes,globos y arboledas
メキシコの弦楽トリオ作品集。

CELLO OCTET CONJUNTO IBERICO - Canciones y Danzas
キューバ人Joaquin Ninのスペイン民謡集

Manuel de Falla : Atlantida , El amor brujo
作者が未完にしたカンタータの補筆完成した版での再演の模様。聞くと、作品よりも劇場内の物音の方が気になるのは、当時の空気感とでも言おうか、ざわめきと作品への関心のな薄さみたいな。。。まぁ拍手は、スペイン初演に継ぐ1962年イタリアでの初演ということで、歴史的な記憶は無視しておこうとのことだろう。
物語はコロンブスの航海をアトランティス発見に例えたものの様だ。スペインへの愛国心、栄光というには現時点では微妙な表現ではないかと思う。
死後に補筆されたこともありファリャらしからぬオーケストレーションとメロディ。むしろファリャの同時代の友人等の影響が伺えると言うべきか。
フィルアップの「恋は魔術師」は57年の演奏。性急なものだ。フランス初演で人気を博してから30年といった頃のもの。メゾはテレサ・ベルガンサ。

ROBERTO GERHARD Cancionero de Pedrell
ペドレルのもう一人の弟子ヘラルド。
Alegrias ‘Divertissment Fkamenco’
シャブリエのスペイン狂詩曲みたいに始まりストラヴィンスキー風なコパクトなしつらえの前半部と、後半は闘牛の風景だろう、どちらかが倒れたらしい。この辺の展開はバレエ曲だからか、ミヨーに近い発想でまとめられてるように思う。
「ペドレルによせる讃歌」
生誕百年記念でペドレルの採取した民謡をまとめたもの。オーケストレーションの癖が、どうもフランス風に聞こえる。それとルネッサンス期の音楽が同居してる。
「七つの俳句」も、その延長で聞いて差し支えない、ただソプラノ・パートをテノールが歌ってるだけで。
「パンドラ」組曲、室内楽での演奏なので大きな力を表出することがないのが残念だ。物語の内容としては、これで良いのだろうけど、音楽としては鈍角になってる。
この曲はファシストへの告発らしい。
この人はドイツ人の父とスイス人の母のもとカタルニアで生まれ市民戦争で英国に亡命した。初期の作品はラヴェルを想わせる。
シェーンベルクの影響よりは時代の先端への関心の方が強かったのではないかと思う。ただそれを上手く形に出来たものは直ぐには思い浮かばない、今で言うところのサウンド・エッセイ的な志向が強く出過ぎてるような気がする。

Cristobal Halffter Orchestral Works
Odradek(1996)
Dortmunder Variation(1986-1987)
Tiento del primer tono batalla imperial(1986)
ファリャの未完のオラトリオを補筆完成させたエルネストの甥。
ずっと聞きたかったんだど、違ったらしい。この人の作品は1970年代から聞いてるのに、こちらがどうも期待し過ぎるんだろう。
思ってたような音の固まりのような作品ではなく、一種のオケコン。いくつかの層として音が組み上げられて、塊にはならない。もう少し気配を活かすか、役割を与えてそれぞれの音の演技を付けるのも一考ではないかと、今なら思う。

TRIO COGHLAN
Para los kioscos,fuentes,globos y arboledas
メキシコの弦楽トリオ作品集。
表題はEduardo AnguloのFOR THE KIOSKS,FOUNTAINS,BALLOONS AND GROVES...で弦楽トリオとアルパ(民俗音楽で使われる小型のハープ)のための作品で、実に豊潤な香がする。
他の作品もそれぞれに素晴らしい意図があって面白いけれど、この作曲家の描く街の情景が好い。
ポンセの野性的な作品はスペインを盛り込んで野趣を表すのに(ラヴェル以前のスタイルで)ボレロを取り入れてるのが面白い。
残念なのは、このレーベル、信じられないほど録音技術が低い。あるいは、これを意図してるとしたら何が目的か判らない。

CELLO OCTET CONJUNTO IBERICO - Canciones y Danzas
キューバ人Joaquin Ninのスペイン民謡集はとても品があって面白い。これは気が利いた編曲として味わい深い。
それに対してファリャの方は頂けない。同じソプラノが歌ってるだけに惜しい結果だ。「プシシェ」はファリャ作品中で耽美の極北なのに平板すぎる。バレエからの有名な三曲は既にファリャが全てを尽くしたオーケストレーションを施した後では何をしても無駄だし、このように要らぬ野趣を付け加えると品がない。そして「七つのスペイン民謡」の不自由な歌唱に、ニンの演奏での全ての評価を取り消したくなる。残念ながら同じ歌い手とは思えないほど。
こうして聞くとホアキン・ニンの音楽はどこまでも陽気で気品がある。不思議なことにそれでいて現代的なメロディで一貫してる。


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