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2008.12.05

コンコースの男、ほか

時間軸を切り刻んだ映画のフィルムのようにその男は現われる。
その男はいつも改札から出口へ向かうコンコースの死角で壁にもたれてケータイを見ていた。
幾度か繰り返しその男を見掛けた。

長身なその男はいつも同じ服装をしている。鳶職のような服装だ。
でも、そのはずはない。そういう人たちは朝が早いから終電間際の地下鉄のコンコースの壁にもたれてるはずない。
何度目かに気付いた。ケータイをコンセントに繋いでるじゃないか。
終電間際にだけ見られるその男の細切れな姿がパラパラ漫画の一コマずつみたいに進むのを、まるで映画フィルムのように見せられていた。
昨日ついにその男に進展があった。
いつもは不在の札が下がっている駅員室から制服姿の男が現われると時を同じくしてエレベータホールから引き返して階段を素早く上がって行くその男の姿。
男は駅員に追われるようになったのか。
そもそも、その男はその時間にいつもそこまで来て何をしていたのだろう?

コンコースから地上へ抜けると夜はずっしりとのしかかってくる。
緩い坂の途中で、いつも右折する辺りで、調子外れなトルク音が夜闇に響く。
いつ夜は、それが停車中の古いリムジンかと思ったが、今日は道路になにもない。
振り返れば、そこに牛角。
ふん、無煙ロースターのバキュームが疲れてるようだな。
露地をもう一本過ぎると、トルク音は建物に遮られて聞こえない。
そりゃそうさ、川越街道で工事してたってぐっすり眠れるじゃないか。暴走族以外なら問題はない。

そうだ、夜の色は何色だ?
漆黒か?
シアンじゃぁないのか?
ちなみにマゼンタは紅じゃない。赤紫だ。
マゼンタは存在しないという論争が定期的に起こるのは文化の差異のせいじゃないか?。。。

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