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2008.12.05

『輝くもの天より墜ち』


ジェイムズ ティプトリー ジュニア『輝くもの天より墜ち (ハヤカワ文庫SF)』

おもえばティプトリー・ジュニアの作品に接する時の、あの清潔感はなんなんだろう。
これまでに読んだどの作品よりも丁寧に記述されていてスピード感を味わうよりはディテールの細やかさにのめり込んでしまう。
描かれたのはこれまでのあらゆるテーマで時間経過順に筆記された読みやすい文章だ。
しかしこれはSFか? むしろ聖書のようではないか?
SF界は宗教と神についてどう考えているのだろう? そして宗教界はSFをどう考えているのか?

物語? それは、いわば『マネー・カルチャー』に毒される失楽園を残し過去の裁きを受けながらも、グリーン・ゴーな未来へ。

いや、謎が残っている。
ダミエムでの一日の出来事を、死に続ける<ザ・スター>の通過とともに、生と死を交差させるのも味わい深いけれど、20世紀の物書きたちが取り憑かれた未来信仰においてティプトリー・ジュニアは22を選んだ。

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