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2009.02.14

読了『プロファイリング・ビジネス』


ロバート・オハロー『プロファイリング・ビジネス~米国「諜報産業」の最強戦略』


原題『NO PLACE TO HIDE』、『隠れる場所は無い』、である。
日本語版の奥付を見ると、2005年9月20日。
2月14日に読み終えた。

この本で言う「プロファイリング」とは、犯罪捜査のために犯罪者の個人的な情報を調べたりするだけではなく、あらゆるマスデータの中から、データマイニングや生体認証(識別)により、(一般個人であれ)その情報と特性を特定するような技術と商売をも指す。

序章では、本書の全体を概観する。ここだけでも下手なハリウッド映画よりも上質な?サスペンスである。
1章では、911事件を発端にプライバシーに対する意識が変化する様を描く過程で、政府内部の葛藤を示す。
2章以降で台頭してくるプロファイリングビジネスを描く。
8章からが、政府とビジネスの結びつきの最終段階だ、政府機関には禁止された個人情報(プライバシー)の侵害であっても、外注でならば実行可能という世界、そして、その受け皿がプロファイリングビジネスなのだ。

2章以降の片方の主役は、チョイスポイント、アクシオム、レクシスネクシス、セイシント、ビジョニクスら、国防総省やFBIなどの政府機関をクライアントに急成長を遂げるプロファイリング企業である。
その成長の源泉は何か。
まずは、個人情報のプロファイリング・ビジネスの成立がある。
これに、「政府を規制する憲法」の抜け穴としての役割が、911以降に見出された事で、予想もしなかった形での監視社会の到来を招くと同時に、プロファイリング企業の隆盛をもたらした。
(911以降、積極的に司法機関に協力するこれらの企業の姿に、『地獄への道は善意で舗装されている』を思い出す)
例えば、チョイスポイントはウォルマート系列の会員制ストアで「従業員身元調査」キットを39ドル77セントで発売した。「良質の従業員の雇い方」というハンドブックと、オンライン身元調査のプログラムが収められたCDがパッケージになっている。興信所を雇う時代は終わり、信用できない知人や従業員については、だれでも安いコストで過去を洗うことができるようになった。チョイスポイントの幹部は「9.11テロですべてが変わった」と言う。
プロファイリング企業のオーナー達は、成り上がりで、かなりアクの強いチャラクターだ。一部は、冒険というより、犯罪の陰も見えるのだが、効率的な情報システムの提供によって、不問に付されているようだ。

政府の方向性を示すものとして、コントラ事件のポインデクスターのアイデア(統合された情報空間)が、政府・官僚のプロファイリングの考え方に深く浸透している様を描写している。これが発想の原点なのか。
マトリックス、ホーリーは、システムの名前だが、恥ずかしい気がする。

最終章の監視網の指摘は、今となっては言わずもがなであるが、それなりに面白い。
(これでメモの半分くらいだが、上げておく)

序章 隠れる場所はどこにもない
第1章 同時多発テロ、激動の六週間
第2章 データ革命―アクシオム
第3章 ID詐欺
第4章 マトリックス―セイシント
第5章 前歴を洗え―チョイスポイント
第6章 不変のわたし―ビジョニクス
第7章 全情報を捕獲せよ
第8章 政府の目と耳―レクシスネクシス
第9章 監視されるマネー
第10章 隠れる場所はどこにもない

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