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2009.04.04

CD試聴記

思わぬ発見


Anders Eliasson
Double concerto(2005)
Sinfonia per archi(2003?)
果てしなく豊穣な音の奔流。
う!これはどうしたことか。
「さすらいの歌」やホルン協奏曲の、あの聞く者を居たたまれなく圧倒する孤高な空間の響きは!
これでは、まるでロマン派の音楽ではないか。
ピアノとヴァイオリンの二重協奏曲、確かに横溢する音の奔流に押し流されてしまう感覚は、作曲者独自のものだ。むしろ音楽がこうまでも輝かしく磨き上げられたのか。
この10年ほど新作を聞いてなかった。
何かが起きていたのだ。
リトアニアのバルカウスカス発明のコードを思わせる協奏曲だ。
ドイツのレーベルだからか、いつもなら、まずスウェーデンの現代音楽は聞けば身の毛もよだつほど生理的嫌悪を抱くはずが、ここでは単にフレーズ処理でしかないように思える。
自分が馴れ合ってしまったか、弦楽のためのシンフォニア(鳴り響くもの、共鳴体)の、まさか、録音が問題なのか?
探求と和解をテーマとする(と自分は考える)シンフォニアを聞けば、それがペッタションの流儀であることが伝わってくる。
ペッタションを完結させたレーベルだから、今度はエリアッソンを完結してくれるのだろうか。
それにしても、崖の向こう岸へ渉ろうとロープにしがみ付く白いジャケットの二人の黒人、この表紙の絵はどういう意味なんだろう?

Altarus『Kaikhosru Shapurji Sorabji: Toccata No. 1』
Kaikhosru Shapurji Sorabji
Toccata No.1
超絶技巧と物凄く長い演奏時間を必要とすることが有名なソラブジ作品。
聞けば、実に叙情的な何時までも果てることのない独り言のような音楽。
演奏するよりも聞くための集中力が試されるのではないか。


TOTUS TUUS
(Everything To You)was the motto of Pope John Paul �.
リガの教会で録音された、バルト海沿岸の20世紀の作曲家たちによる合唱のための作品集。
まさに世俗を忘れる別世界。なんといっても教会の残響が素晴らしい。
宗教音楽に疎いし、その教理さえ知らないので語るべき言葉を持ち合わせない。
ただ、それぞれに孤高な作品を書いている、とだけ記しておこう。
作曲家のそれぞれの作品を持ち寄ってミサに仕立ててるようだ。
ポーランド勢のミニマルが印象的。
新しい時代を予感した、記録となったのだろうか。
そう思うのはドラマチックなヴァスクスの後にトリ(ヤナーチェク「グラゴル・ミサ」のように「イントロイトス」役)を勤めるシュニトケの“何処へ行くの?”な半音階グラデーションの驚きのため。
リガのストリート・チルドレン募金への呼び掛けがライナーにあるので、アルバム自体の目的は、これなのだろう。

MUSIC FROM LATVIA
Cooking Vinyl GUMBO CD 022
ラトヴィアの民族音楽のアンソロジー。
ロシアの影響は否めないし、近隣の、エストニアの現代音楽の作曲家たちとの親和性も然り。
このアンソロジーは、ルネッサンスから現代的なセンスの演奏スタイルまでと幅広く、ここ暫らくこればかり聞いてる。
選集もとのアルバムはラトヴィアのレコード会社で日本に代理店はないらしい。これは英国のレコード会社がソ連崩壊後にワールドミュージック・シリーズの一枚として編んだもの。

dreamings
GONDWANA VOICES
ELENA KATS-CHERNINという中央アジア出身の女流作家の作品を探してて、これに出会った。
しばらく前にアニメーション映画の音楽を称賛する記事を目にして聞いてみたいと思ってた。
ポルカ、ラグタイム、ワルツなど小品ばかりでアルバムを組んでるようなので、2曲しか入ってないけど、ものは試しと。
ところがどっこい、これはオーストラリアの児童合唱団のアルバムだった。
プレイ・ボタンを押してから、そうと知って、子供の声を一枚聞くのか?と思ったけれど、アルバム全体は多彩で、所々に器楽をうまく持ち込んで飽きさせない。
さざ波と潮騒を聞いてるような按配だ。


わが懐かしのブエノスアイレス〜バレンボイム、タンゴを弾く
MI BUENOS AIRES QUERIDO / BARENBOIM
日本版が出てたなんて知らなかった。
タンゴは方言や訛りに近い。
だからクラシックの演奏家じゃ味が出ない。
その理由は、身振りだけじゃない。
演奏する弾き手や楽器の声が、さらに多彩に分かれて登場する。ニュアンスもアタック毎に異なる。そうした一面で猥雑な音楽に揺れる心地よさを求めて聞くのがタンゴで、クラシック音楽は作曲者の譜面を忠実に再現するために演奏者を統合するのであり、互いの音楽スタイルは考えるまでもなく相容れないものなのだ。
それでも、これを録音しようと望んだバレンボイムはこう言い切る。
「私は、人生の最初の9年間をアルゼンチンで、アルゼンチンだけで過ごした。……ほぼ半世紀を経て、私は単にアルゼンチンに帰ってきたのでもなければ、子供時代に戻った訳でもない。私は『わが懐かしのブエノスアイレス』を始めとする、このセンチメンタルなレコードを構成する素晴らしいメロディの数々のもとに帰えしたのである。」
それでも音楽の仕草は異なる。
だからこそ貴重な教えなのだ。
ロシア人の両親とイスラエルへ移住するまで、アルバムのタイトルを歌ったガルデルをヒーローにしていた幼年期を過ごし半世紀後に生まれた土地に戻った。
何が人をかえてしまうのだろう。
(兄:判らんがAmazonに出ないなぁ)

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Posted by: katute | 2009.04.06 at 05:59 PM

この前の円高の時に底値と思ったものに品切れだったけど発注をかけた。
一回の注文で送料請求は一度だけというのが、為替や株の取引と同様な一取引一手数料で、ディーラー気分にしてくれる。
ただ思わぬ時に商品が到着するので自分の財布を圧迫するのがポジションとは異なるのか。
まぁこんなのはカワイイお遊びだよね。

Posted by: katute | 2009.04.07 at 11:33 AM

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