« 驚いた、そんなことあるんだ。 | Main | 勉強するか »

2009.04.02

『アスピリン・エイジ』中・下

早川書房『アスピリン・エイジ〈中〉 (1979年) (ハヤカワ文庫―NF)』
早川書房『アスピリン・エイジ〈下〉 (1979年) (ハヤカワ文庫―NF)』
さすがに30年も前の文庫本が揃って見付かる訳もないので、上巻は読んでない。
収録作については下記リンク先が役立つだろう。

両大戦間の米国の世相を集めているが、と言ってもタイトルだけで何かと理解できる人はもう生きてないかも知れないが。

いくつか自分が気になった物語を指摘しよう。

「1927年 リンドバーグ物語」 ジョン・ラードナー(John Lardner)
「1930年 ラジオの神父とその信者」 ウォレス・スティーグナー(Wallace Stegner)
「1934年 モロ・キャッスル号の惨劇」 ウィリアム・マクフィ(William McFee)
「1935年 アメリカ型の独裁者、ヒューイ・ロング」 ホッディング・カーター(Hodding Carter)
「1937年 シカゴの大虐殺事件 リパブリック製鋼事件」 ハワード・ファースト(Howard Fast)
「1938年 火星人の襲来した夜」 チャールズ・ジャクソン(Charles Jackson)
「1940年 ウェンデル・ウィルキ その勇気とは?」 ロスコー・ドラモンド(Roscoe Drummond)
「1941年 パール・ハーバーの日曜日 一つの時代の終焉」 ジョナサン・ダニエルズ(Jonathan Daniels)

ほぼ読んだものの全部に近いが、背後に流れる通奏低音は、米国流の「反独裁」だろうか。
これらの記事は事件や人物を評してるのではなく、こうした現象を解説するヒントだ。
それが現代の米国の政策と支える有権者の意識を育てた過程が記録されてる。
また、メディアの威力が育って行った時代の反応などが克明に記録されてるのも貴重だろう。

ニュー・ディールと反トラストが連結してしまったりするのが実に時代の精神だろう。
現代の認識からすると酷く偏っているように思えるけれど。

イザベル・レイトン

=====================

自分は、チャルマーズ・ジョンソン『アメリカ帝国への報復』のサブ・テキストとして読んだ。
この本の主旨のレジュメとして、これがコンパクトだ。
ここでの訳者の前書きでは、却って趣旨を限定してしまいそうだが。

米国モデルの輸出:市場と民主主義

|

« 驚いた、そんなことあるんだ。 | Main | 勉強するか »

」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

アスピリン・エイジって不安の時代という意味。

Posted by: katute | 2009.04.06 at 06:01 PM

作家 William March と彼の生きた時代
http://nels.nii.ac.jp/els/110000037132.pdf?id=ART0000366680&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1245646336&cp=

Posted by: katute | 2009.06.22 at 02:30 PM

先のリンクが上手くないので、もう一度。
短いけれど、時代が凝縮して表現されてるようだ。

以下に抜粋引用:

作家 William March と彼の生きた時代
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000037132/ja

第一次世界大戦終結以来、様々な問題をかかえて過ぎていった1920年代であったが、その終りにきてさらに大きな社会不安が待ちかまえていた。かねてから高騰しつづけていた株価が市場の動揺のため下がりはじめ、1929年10月24日、株価の暴落が起った。ちょうどその日は火曜日であったので、Black Tuesdayと呼ばれている。この事件が世界恐慌の始まりとなるのであるが、Great Depressionの真の原因は株式市場の崩壊ではなく、根本的には工業化と都市化にあった。富の増大は極端に片寄り、消費者の多くは生産されたものを買う力がなかった。購買力の低下で在庫は激増し、製造業者は工場閉鎖を余儀なくされ、解雇者が続出した。

 工場閉鎖、従業員解雇は他関連企業にも影響してゆき、多くの銀行も閉鎖された。1932年には全米の失業者は1,300万人にのぼった。経済不安の続く中で、地方で失業した人々の都市への流入が激しくなった。戦後の政府への不信、社会不安から逃れようとするかのように、ジャズがはやり、はなやかな服装がなやり、禁酒法下にもかかわらず酒が大量に出回り、Anglo-Saxon
系扁重の人種差別が激しくなり、まさにRoaring Twentiesは戦争後遺症の時代であり、Great Dpressionへのpreludeの時代であった。
 このような激しく揺れ動くアメリカ社会で、女性の生活にも大きな変化が出てきた。この頃から女性はスカート丈を短くし、外でタバコを吸い、酒を飲み、さらに高い教育を受けるようになり、男性との差は未だ歴然と大きかったが、職場への進出も著しくなった。

 1939年、Htlerのポーランド侵攻によって、ヨーロッパでは再び戦争が始まり、Great Dpressionは吹き飛んでしまった形となった。景気は再び高騰し、失業は減少し始めた。アメリカの景気回復は、New Dealの成果ではなく、第二次世界大戦勃発のためであった。

Posted by: katute | 2009.06.22 at 02:54 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/12774/44584565

Listed below are links to weblogs that reference 『アスピリン・エイジ』中・下:

« 驚いた、そんなことあるんだ。 | Main | 勉強するか »