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2009.04.15

読了:スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』


スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学』


あの、『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』の中の白眉、ギャングについて回って、話を聞き、パーティや幹部会にも出席して、帳簿やら何やらを預かったとあった社会学者(エスノグラファ)のヴェンカテッシュ自身による回想(いや、現役なんだけど、この団地の話は昔の話だし)。統計使って色々な世界の裏を読み解くあっちとは違って、ガッチリ、地道な地周りの毎日なのに、書きたい事は一杯あるけれど、訳者後書きと同じく、後半に入ると「もう終わってしまうのか」と寂しさを覚える、一気通読の物凄い面白さ。
話としては、物怖じしない(?)社会学の大学院生が、巨大団地(スラム、ロバート・テイラー・ホームズ)に、のこのこと社会学の調査に出向くところから、そのまま、ギャングスターJTの連れになって、また、豪腕の自治会長のベイリーさんやその助手のカトリーナ、他の棟の自治会役員オートリー、売春婦、ヤクの売人、ヘイタイ、警官、その他諸々の群像を描く事になった数年がかりの調査のエッセンスをまとめたエッセイと言うか、日記のようなスタイルで、論文を沢山書いている人らしく、細かく、よく書いている。
ちなみに、著者は、東南アジア地域出身のインド系アメリカ人(しかも、デッドヘッズ!)、団地の住人はギャングも含めてほぼ100%がアフリカ系アメリカ人(本文中で当人達は自称他称で『ニガー』と言っている)。これで、怖がらずに、調査に乗り込むって、どれだけの度胸なんだろう。
また、至る所で、政府の政策が貧困対策としてはお粗末で全く役に立っていない事を弾劾しているが、寂寥と無力感が漂っている。
「みんな、シノギ人なんだ」というベイリーさんは正しいのかもしれない。
それにしても、amazonには色んな意見があるなぁ。意見として間違っちゃいないけど、この本、面白くなかったんか、あんたら。

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