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2009.05.28

歴史のアナロジー?

その昔学校で習った。
彼の祖父は清教徒だと。
村のリーダーで、江を遡る不法な侵入船「シャーマン」号を村人を指導して撃退したと。
李朝時代に改宗していた祖父。その祖父が宣教師と同じ国の人と対立する矛盾。
作家の母方の家についての、この本のこの記述に出遇うまで、彼が本人かは別として、彼の家はフリーメイソンのロッジ(支部)で、戦後の様々に奇妙な一致を見せる符丁のような事件は、だからメイソンリー(会員)の仕業ではないかしらと。
ところが、この本の記述と彼の祖父の逸話はアナロジーのようだ。
歴史の記憶は風化しても記憶装置としての民衆には畏れの痕跡が刻まれるのだろうか。いくら勝てない戦争の記憶とはいえ、超の付く大国が指も触れられないのは不自然に思っていたから、何か特別な事情によるのだと。
彼と、その一族が一致するかは知らないけれど、学校で教わった話は他に、「万歳」の声に駆け出していって村から町をめぐった、まるで幕末の「ええじゃないか」のような「3.1蜂起」や、詳しくは憶えてないけれど、北極星信仰との関連を伺わせる挿話もあったように思う。

ピーター・コン『パール・バック伝 ‥‥この大地から差別をなくすために』上巻
第一章 幼年時代 P44-45
《南北戦争が勃発して、この家族の幸せにも終わりがきた。農場が、南北分理論を唱えヴァージニア州と、北軍に忠誠を誓っている新しい州であるウェスト・ヴァージニアとの境界線からわずか数キロの距離にあったため、戦場になる危険性に耐えずさらされた。ほとんど望み薄であったが、安全を確保したいとの考えで、ハーマナスは一族の中立を宣言した。
… … スタルチング農場は南軍からも北軍からも繰り返し略奪を受け、食料や貯えを飢えた兵士たちに奪われた。 … …
両軍とも乱暴狼藉を働いたが、ケアリーは北軍の方が特に野蛮だと感じた。南北戦争が終了した頃、
彼女はまだ八歳だったが、リンカーンやその配下の司令官たちの蛮行を絶対に許そうとはしなかった。数十年後に当たる1900年に中国で義和団が数百人の外国人を殺害したときに、ケアリーは、義和団を南部諸州を焼き尽くしながら蹂躙していったウイリアム・シャーマン将軍配下の北軍にたとえた。》

また、作家の父アブサロムら宣教師の中国での布教活動を読んでいるとSF作家ジェームズ・ティプトリーJr.の、友好的宇宙人がある日を境に突如、世界中の宗教施設を一斉の破壊攻撃する短篇小説を思い出した。


ピーター コン『パール・バック伝〈上巻〉―この大地から差別をなくすために』

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Comments

ピョンヤン凱旋門近辺の、東京で言えば青山トンネルのようなものを指して「あの向こうに国が統一されたら名誉回復されるであろう人たちが住んでいます」とか聞かされた覚えがあるが、果たしてどういう意味だったのか解明されることはあるのだろうか。

Posted by: katute | 2009.06.17 11:47 AM

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