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2009.05.29

読了「技術に生きる現代数学」

これは素晴らしい。「技術に生きる現代数学」』の補足。


岩波書店『技術に生きる現代数学』


Amazon.co.jp: 技術に生きる現代数学: 若山 正人: 本より引用:



内容(「BOOK」データベースより)

かつては応用を意図されなかった理論が、いまや最先端の技術開発を根底から支えるとともに、そこから新たな着想を得て、さらに洗練されていく。本書は、医療・生命科学や金融などのテーマを選び、その中で数学の自由なアイデアがどのように展開していくかを初学者にもわかりやすく伝える。

この通り。
目次(再掲)
1 輪切りにしてもいいですか?
2 幾何と統計が生む信号検出技術
3 顕微鏡をのぞくと株価が!
4 秘密の鍵は素数にあり
5 渦を破壊せよ
6 DNA結び目のメカニズム

本全体の特徴として、参考文献のリストが手頃に充実していて、紙媒体データだけでなく、URL(公開されているソフトのも)も含まれている。
自分が気付いた/驚いたことのメモ。
2章、信号検出にオイラー標数とは!
3章、1900年のバシェリエの、ブラウン運動を経済学に応用した論文が経済学者にはサッパリ受けなかった、ポアンカレが辛口レビューした、マルチンゲール(未来の情報を持たない、つまり、インサイダーが居ない)を仮定だけか。1950年頃、コルモゴロフ(数学のモーツアルトと呼ばれているようだが、未だ全貌が見えない)、エルデーシュ(エルデスと書いている)らが評価、本当の価値は、伊藤整の確率解析(確率微分方程式)でようやく完成した。
4章、楕円暗号を目標に、整数論を齧る。
5章、渦の研究。1960年代ボーイング社による肝いりで始まった、つまり、ジェット機の(翼に生じる渦の)原理の解明。これを準備するかのように、19世紀末、ケルヴィン卿、マックスウェルらの研究(渦で電子を説明しようとした間違った方向だったが)があったのだ。ここで、渦の結び目のパターンを調べていた。
6章、結び目、DNA(環状)の組み替えの起こる組み合わせを解析する手段に。タングルという輪の中に結び目を入れたものを考えて、足し算等を定義して、タングル方程式を作って、式を解くことで、実際のDNAの2世代行の形を決定出来た。結び目と言えば、ポアンカレ予想。この説明もある。そして、位相幾何の秘密兵器、デーン手術の説明。こんな素朴な概念だったのか。しかも、これが最強のツールなんだな。スゴい。

面白かった。この系統の本は他にもあるようなので(後書きに1冊あった)、読んでみようかな。
ところで、グロタンディクの数学を手軽に教えてくれる本は無いのだろうか。

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