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2009.05.29

読了『はじめての現代数学』


瀬山 士郎『はじめての現代数学 (数理を愉しむ)シリーズ (ハヤカワ文庫NF)』

読み終えたのは、先週だけど、メモの代わりに。
目次
1 「モノ」から「コト」へ(現代数学のイメージ 代数方程式の解法についての構造主義的方法 ほか)
2 無限の算術・集合論(再び「モノ」的無限へ 果てしない無限の彼方 ほか)
3 柔らかい空間・トポロジー(近さの発見から位相空間へ 位置とつながり方の幾何学(1)―グラフ理論 ほか)
4 形式の限界・論理学とゲーデル(納得、説得と論理 論理の記号化 ほか)
5 現代数学の冒険(あいまいさの数学・ファジイ理論 複雑さの数学・フラクタル理論 ほか)

この本の1章を読んで、定規とコンパスの作図がどういう計算に相当するのか、やっと実感が湧いた。とは言え、この本だけのお陰ではなく、『解読! アルキメデス写本』を思い浮かべたせいもある。個人的には、大分、スッキリした。
体の拡大列と群の縮小列との対応がガロア理論の要であるとか、サッケリーの「非ユークリッド幾何に後一歩」の発見、ゲーデルがプラトン主義的立場で、コーエンは、それこそ、ゲーム的な立場であるとか、数学の基礎を成す2つの哲学背景にもサラリと触れて、近傍系による位相の導入(超準解析もこれで収束を考える訳だ)等々。駆け足であるけれど、エッセンスはぎっしり詰まっている。端折られた証明は、(気になるなら)自分で追える範囲では無いだろうか。
カタストロフィ理論のトムの定理(原因の因子個数はコントロール空間の次元が4以下なら7つのどれかとトポロジー的に同じ、同相)は、スゴい結果だと思うが、あまり知られてないのでは?
この本は、モノからコトに進んだ現代数学で、再び、モノの復権を見つつあるという立場にある。
盲目の数学者ベルナル・モランの『私は意味の分からない式や変形は覚えられないどんなにややこしい式でもそれが重要なものなら、幾何学的透明さでその意味を説明出来るのである。そうすると、私はどんな複雑な式でも覚えられる』を締めに持ってきている。

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Comments

微分と積分の関係、大学でやり直したけど、それらの対応まではやらなかった。本来(近代的な定義では)は、逆演算ではないのだよ。ここもスッキリしたポイント。

Posted by: 本人 | 2009.06.10 at 01:10 PM

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