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2009.09.03

CD試聴記

BARABARA HARBACH
CHAMBER MUSIC 1

VIKTOR ULLMANN:
SYMPHONIEN NR.1&2・LIEDER・DON QUIXOTE

MUSIC FROM THE HOLOCAUST
PAUL ORGEL,piano

PAVEL HAAS : SUITE FOR PIANO.Op.13

GIDEON KLEIN : SONAT FOR PIANO

Arno Babadjanyan
COMPOSER AND PIANIST

Hilary Tann
Songs of the Cotton Grass

BARABARA HARBACH
CHAMBER MUSIC 1
現代音楽ではないという触れ込みだった。
なるほどアメリカの古謡などをテーマにして、見晴らしの良い音がディーリアスやヴィラ=ロボス、バルト諸国のシンプリシティを思わせる。
こうした音楽の天真爛漫さは現在では貴重に思える。持って生まれただけではない、育ちの部分での才能とでも言うか。
ペンタトニックをベースにしてるから、まるまる金太郎飴と感じる人もあるだろう。

VIKTOR ULLMANN:
SYMPHONIEN NR.1&2・LIEDER・DON QUIXOTE
交響曲はピアノソナタ5、7番の編曲、歌曲集もピアノ伴奏からの編曲、序曲「ファンダンゴを踊るドン・キホーテ」も残されたスケッチの再構成。という、オリジナルではないオーケストラ作品集。
もともとピアノソナタの歯切れの悪さは後味も悪くて微妙な作品だと思っていたが、こうして交響詩のように、オーケストレーションを施すと姿を変えて見せるのだな。ツムリンスキーやR,シュトラウス、ラヴェルのようなセンスを伺わせたはず、と。
確かに、「最終解決」絶滅収容所で命を落としたが、それが枕詞に立ちはだかって聴衆を逃してしまう。
編曲者が交響曲をトリックスターのような性格に描きだしてるのは正しいし、楽しい。そういう訳で、このアルバムからはウルマンの研ぎ澄まされた美的センスは伺うことは出来ない。

MUSIC FROM THE HOLOCAUST
PAUL ORGEL,piano
演奏が滅法達者な、このアルバムはヘヴィーな内容で、この音を弾きこなすのだから尚更だ。
まず8曲からなる、KARL BERMAN :1938-1945,REMINISCENCES,SUITE FOR PIANO を何度聞いても、こんな不気味な音楽を仕立てることの理解に苦しむ。解説を見なければ、あまりに極端なものが同居する謎は解けずにあったろう。時間を遡って書き加えたがために、当時の不当な不気味さが強調されたのだった。
PAVEL HAAS : SUITE FOR PIANO.Op.13
前奏曲が見事に始まる。例えばスメラのセンスにペルトのオーケストレーションを夢想するように、実に素晴らしい、しかし永続きはしなかったのは残念だ。
GIDEON KLEIN : SONAT FOR PIANO
作曲者24歳の作品。これはイケない。
そして誉れ高いウルマンの7番ソナタ。
プログラムは後半へ向って行くのだろうけど、前半が山場だ。
特異な状況での作品探求であるから平時とは異なる論理展開ではあっても、それを作品として完成し後世に残せるか、厳しい所だが致し方ないだろうと思う。あるいは、そうした受け留める力を私が持ち合わせないのも。

Arno Babadjanyan
COMPOSER AND PIANIST
アルメニアのババジャニアンの音楽はEPレコードが単位だったらしい。内容は、ハチャトリアン、コミタスの系列。
アルチュニアンとの連弾もあり、見事なピアノ遣いだったから全て自身が弾いている。
オケやバンドとは、映画からのムード音楽。二足のわらじを弾き分けてはいないし、巨匠はバンドもオケも全部伴奏に廻してしまって音楽が平板になってしまった。

Hilary Tann
Songs of the Cotton Grass
枯れた味わいの室内楽。
余計なお世話だが、作曲家の持つ、内なる運動素が、散々に千切れていて旗めいているように感じられなければ、ちょっと辛いかも知れない。
あるいは旅先でふとした拍子に触れた何かから、土地に縁の歴史を想像するような根気よさがあれば良いのかも知れない。そうした健全な想像力を呼び起こしてみなくては。
表題が、テキストの言葉に忠実なメロディラインを起こしてたので、他の器楽曲ももしかしたら英語ネイティヴだと面白さが伝わるようなことがあるやも知れない。

夕食がもう終わりに近付いた頃、廊下に落ちた蝉がのたうちながら騒いでいる様子で段々と玄関に近付いてくる。
現われた白い顔は耳を逆立てた逆三角形で、網戸越しにこちらを伺ってる。
その口にくわえられた蝉がけたたましく鳴く。
振り返って見ようとする気配に、子猫は跳ねて、宵闇に消えた。

その晩、真夜中頃に重圧感のする排気筒の音で眠りを妨げられた。
自衛隊のヘリコプターではない、地面の底から唸りを上げるエンジンの爆音。互いに反響し合っているらしく艶めかしく立体的な音響をはり上げる。
オールド・ファッションに、夏を知らせる暴走族。

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