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2009.10.01

CD試聴紀

ピアノへの緩慢な理解 1.身勝手

SCHUBERT SONATEN Vol.1
Sonate D 279
Allegro D 277 A(先曲、第三楽章の第一稿)
Sonate D 568
Massimiliano Damerini

[Echhoes]from Austria
Josef Mayr
20世紀のオーストリアピアノ音楽。Alban Berg 1908 Kleiner Walzer G-DurからRupert Gottfried Friebere 1990 Vielleicht ein Traum?までの32曲。

Niccolo Castiglioni : music for piano
Sarah Nicolls

Jaan Raats
Sonate fur zwei Klavier
Klaviertrio Nr.6
Klavierquintett Nr.3
Konzert fur Viorin und Kammerorchester Nr.2

SHADOWS OF SILENCE
LEIF OVE ANDSNES

MUSIC FROM AND INSPIRED BY
THE PIANIST
A ROMAN POLANSKI FILM

Valentin Silvestrov
Nostalghia
Jnny Lin

ピアノへの緩慢な理解 1.身勝手

SCHUBERT SONATEN Vol.1
Sonate D 279
Allegro D 277 A(先曲、第三楽章の第一稿)
Sonate D 568
Massimiliano Damerini
あまり録音がないピアニストだけどシューベルトのソナタは揃えてる様子。
現代音楽ではもっと硬質な響きの楽器を弾いてたと思う。録音のせいか半端な響きで音色への興味は削がれる。あるいは、この時代の音楽には合わないのか、楽器の響きに違和感を覚えて興醒める。
現代とシューベルトと、作曲において違いがあるとは思わない。スタイルを利用しても、古典様式全盛で音楽が演技することが当然であっても、先へ進もうとする意志は時代に拘束されないのではないか。
そういう意味でも、感情に流されない演奏をしてる。もしかするとそれでは物足りないかも知れない音楽を、音楽の表情で弾いてる感がするが、しかし過日の面影であることは拭えない。
そう感じる私は「前進」あるのみ。

[Echhoes]from Austria
Josef Mayr
20世紀のオーストリアピアノ音楽。
今はハンガリーに数えられてる人も、知らない人もたくさん含まれる小品集でAlban Berg 1908 Kleiner Walzer G-DurからRupert Gottfried Friebere 1990 Vielleicht ein Traum?までの32曲。
HK GruberとFriedrich Chehaのピアノ作品が聞いてみたかった。
文句なしに前半のベルク、コルンゴルド、ウェレシュらの軽妙な音が良い。
それよりなにより、明らかにピアノの響きが軽やかで、調律が違うように思える。
選曲は、どうだろう。後へ進むほど音色も響きも運動も平凡になっていく気がする。スタイルの変遷でもある、残念だが、この路線は廃れてしまったらしい。
名残惜しくも、良いアルバムだ。
ヨーロッパの東西をここから眺める。

Niccolo Castiglioni : music for piano
Sarah Nicolls
冒頭の音楽は、その後に発想が引き継がれなかったようだ、音量と運動のダイナミズムが素晴らしいように思え、一瞬、別の次元に投げ込まれたかと思ったが。
(しかし、さっきの音色を聞いたらこの楽器は陰気だ。)
やっぱり自分が思ってる音の間合いと違い、発音から発音への緊張感が削がれて聞こえる。聞こえる音だけを信じることは出来ないものだろうか。
ソナチネが非常に惜しい。リニアな時間に次元の異なる響きを挿入してるとは思えないだろうか。つまり時間軸の上ではリニアに連続してるが、それぞれは異なる空間上に独立して存在する非連続の連続体である。隠された法則に従って変則的な周期で姿を現すのだ。だから平坦なタッチで演奏してはイケナイ。

Jaan Raats
Sonate fur zwei Klavier
Klaviertrio Nr.6
Klavierquintett Nr.3
Konzert fur Viorin und Kammerorchester Nr.2
リャーツを聞くのは、これ!だった。
板起しかと思ったけど、アンプの唸りが入ってるからスピーカー前でエアチェックしたかも知れない音質。それでも、なにしろ二台のピアノのためのソナタが絶品だろう。ドビッシーの「映像」に、運動をさらに注入した物凄い推進力を演奏に必要とする曲だ。この強弱とスピード!どうしてもっと演奏されない。
弦楽器との室内楽はプロコフィエフやソ連の作曲家を思わせる、騒々しくも力強い音楽。止めの音の置き方が憎い。
ヴァイオリン協奏曲はヴィヴァルディのスタイルだから、その時代の演奏速度でやってみるべきかな。
ソナタは是非にも新しい録音を願う。

SHADOWS OF SILENCE
LEIF OVE ANDSNES
ルトスワフスキとダルバヴィの協奏曲の間にクルタークの小品を挟んで、その外壁をベント・ソアンセンが護るしつらえ。
すずやかな音だけれども、ルトスワフスキよりダルバヴィ描くヴィジョンが古典的情景で、無国籍なオリエンタリスムを感じる、フローラン・シュミット?。ただこの人の楽器法に空気感や色彩を感じないので、それが得られれば面白いのだと思う、(最近のジョン・アダムスの音楽がサントラになってるのを思い出す。)博物館での空想なのかなぁ。
BENT SORENSENの表題曲は金管アンサンブルのピアノ編曲か?その書法が透けて見えるような気がする。どちらでもありどちらでもない、歌心が歌になる。可能性 で、さえも。
ところで、このピアノの書き方、誰だったっけかなぁ。

MUSIC FROM AND INSPIRED BY
THE PIANIST
A ROMAN POLANSKI FILM
映画は観てない。
WOJCIECH KILARが一曲だけ入ってるのが気になった(クラリネットをあしらった2分ほどのトラック)。これは全くの埋め草。
映画で使われたらしいJanusz Olejniczakのピアノの音が硬めの音で古く厳しさを感じさせる。いわゆるショパンのアルバムに聞こえないショパン作品集。
そして末尾にシュピルマン自身が演奏するマズルカが一曲。
この映画に米国アカデミー賞が贈られたのはポーランドへのコミットメントだったか。冷戦思考が融けてしまえば、それも夢幻。

Valentin Silvestrov
Nostalghia
Jnny Lin
不意の涙。理由を知ることは出来ない。そこに音楽があった。
2001年以降に書かれた作品に音は多くない。雲の上で歌ってるストラヴィンスキーのソナタに近い印象を受ける。
そうして聞き親しんだ作曲家らの面影を優しく紡ぐ。地上の想いで(ポルトガルでサウダーデと呼ばれてる気持ち)、とりとめもなく湧き出てくる静かな歌心。
youtubeに、イコンを詣でた記念帳のようにコメントが寄せられてた曲か確かめてはないけれど、そこに、街角で足を止め耳を傾けるようにしている姿が浮かぶ。

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