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2009.10.05

工藤庸子『宗教vs.国家』

副題に「フランス〈政教分離〉と市民の誕生」とあり、帯には「共和国はなぜ十字架を排除したか」と更にテーマに謎をかける。
著者の、これまでに読んだものは文学を通じた社会史で、どちらかと言えば人物や恋愛を通じた、それだった。
今回の主題はフランスの政治と宗教を通じた社会史で、やはり現場証人として文学作品が登場する。
その内容は本文を読んでもらって、ここでは自分の感想に留める。
まず、自分が受けた学校教育に、こうした筋の通った社会通史はなかった。また近代が実現しようとしたものが何かということも知らされなかった。
つまり教育の目的、社会に実現しようとするものが何を目指すのか。
塩野七生のルネッサンス・イタリアと対比しながら、何がどう変化し、根本に何があったのかを想いながら読んだ。
<自由><平等><博愛(友愛)>。時代が望んだそれらの姿と、それらを実現するために時代が利用した機構・組織、思想を考察する過程が、現代を照射する。
もちろん、新書本なので19世紀を俯瞰するに留まる。
が、それぞれが掲げた理念を作品とし時代を書き留めた証言を読むと、現代はどう書き留められているのかも気になるのだ。


工藤 庸子『宗教VS.国家 (講談社現代新書)』

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