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2009.11.22

CD試聴記

歴史遺産の利用について

THIERRY PECOU
passeurs d'eau - cantate amazonienne

DAVID FANSHAWE
African Sanctus
Salaams

philip glass
itaipu/the canyon

Pehr Henrik Nordgren
TAIVAANVALOT
The Lights of Heaven

Frantisek Jilek
Leos Janacek(1854-1928) Orchestral works
まずは19世紀に書かれた、「シンフォニエッタ」からは想像も出来ない、バロック音楽のような仕立ての三作。
Lachian Dances(1889-1890)
Suite for String Orchestra(1877)
Idyll for Strings(1878)

KIM KASHKASHIAN NEHAROT

歴史遺産の利用について

THIERRY PECOU
passeurs d'eau - cantate amazonienne
想像力の未開と水辺の情景への発音。
擬似パビリオン音楽、フランス風味。
咳をしてるのは喉に悪い音楽だから?

DAVID FANSHAWE
African Sanctus
Salaams
十字軍のアフリカ遠征か、ロイド=ウェッバー的怪作(!)コラージュ、どこをどう塗り足したのか、うまく出来ていて、アフリカの「ンゴマ」を日本の小劇場に持ち込むならこうなるだろうと思わせ、モリエール喜劇の味わいをなぜか思い出す。いやぁこのユーモア(?)感覚は未経験だった。

philip glass
itaipu/the canyon
前者はGuarani Indianの伝承をテキストにした声楽入り交響曲。テキストに全てを譲ってしまうのか、グラスの声楽は特に聞くべきところも無いように思う。けれどこの単調なリズムは忘れがたく、歩いているといつしか蘇ってくるのは今の自分と同じテンポだからだろう。ここではフランス印象派をスローモーションに仕立てたオーケストレーションに伺えるように動きを削いだ音楽に仕上げてる。
それに比べて、後者の描写力には興味深いものがある。まぁ今となってはスピードやドライブ感が違うけど。教養の確かさというか保守的と呼べる古典形式とオーケストレーションに革新的であったはずの「ミニマル」(派?)のアンバランスを感じるのは時代の変化なんだろう。

Pehr Henrik Nordgren
TAIVAANVALOT
The Lights of Heaven
作曲家の晩年(?。実は20年も前の作品を作曲家が亡くなったのでリリースしたようだ)の関心の在処を示す作品だが、作品自体の力は、演奏されたことに尽きるのではないかと思われる。
作曲家の、オストロボスニア室内楽団と指揮者のカンガスとの交流から生まれた作品は多数あるが、それとは毛色が違う。
カレワラを安易に取り上げなかったのが、いかにもノルドグレンらしい。けれどフィンランドの精神世界でのカレワラも変転したということでもあるのだろう。
テープを使ったコラージュ、間奏曲は独立作品で、作品本体は完成していないように思える。

Frantisek Jilek
Leos Janacek(1854-1928) Orchestral works
まずは19世紀に書かれた、「シンフォニエッタ」からは想像も出来ない、バロック音楽のような仕立ての三作。
Lachian Dances(1889-1890)
Suite for String Orchestra(1877)
Idyll for Strings(1878)
作曲家ゆかりの地ブルノ・フィルのやさしい音。民謡素材の素朴さに独自の和声の萌芽がかいま見える、ちょっとメランコリックに、引き込まれるような悠久の歴史も。
この演奏者は冒頭のアタックが上手くないが、叙述される演奏は見事な味わいで、もう二枚あるアルバムも同様な趣を味わえ、それでようやくに作品を理解できる演奏に出会えた。
ヤナーチェクの19世紀的ロマン主義とオペラ舞台が結びついて初めてなる空間の奥行、余白に聞き手を引き込む腕前。しかしオペラ演奏には恵まれないでいるのかも。

KIM KASHKASHIAN NEHAROT
このアルバムはヴィオラ奏者キム<カシュカシアンの演奏を集めたもので、そこに政治的意図を見るのはよくないかも知れない。
表題となった、Betty Olivero《Neharot Neharot》はレバノンでのヒズボラ攻撃に晒された日常を嘆く女たちの涙が川のように流れると訴える作品のようだ。作曲家の代表作はと探すと「ゴーレム」というユダヤ連作歌曲集があるらしい。
次のアルメニアのTigran Mansurianの作品は一部抜粋を含むが古謡に基づくもので、オーケストラを伴う作品では音のセンスに驚かされる、とは言え、ポピュラー音楽の応用と思ってくれれば、それまでだが。
最後のEitan Steinbergの作品はまだ書法が確立していない感があり今後に保留。
このアルバム、実況録音らしく会場ノイズが数ヶ所に及ぶ。

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