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2009.11.19

技術を失う過程にある

そう思ったのは先週テレビで菱田春草の屏風絵を見たから。
菱田は横山大観の同窓で、菱田が長生きしたら横山の絵画がさらに先に進んだろうと言わしめた。その作風は伝統的日本画と西洋絵画の技法・表現を融合したもの。
テレビ画面に見た屏風絵は障子にはめ込まれたガラス窓に透かした庭の風景といった面持ちの樹木たち。それを少し上から見るように捉えた画面構成。
風景との間に果たしてこれだけの距離感と視線を持てる位置は何処なのか?
日常でもそう思えるようになった。
現代は様々に技術を失っている過程にある。
それは技術だろうか、能力だろうか。身体表現かも知れぬ。
映像を記録する技術や能力は特に、スタイルに思想があるだろう。
写真は屏風絵とはメディアが違う。
モニタも屏風絵とは異なるメディアなのだ。
屏風絵や絵画のような身振りを、それらは獲得していない。そうして現代は失った身振りに郷愁を憶えることもせず、急速に新しいメディアへ移行し続ける。確立された技術を失い続けながら。
身振りを獲得していないメディアは表現だろうかと問うべきか?
歴史という舞台を踊り切るには、それぞれの仕草を納めて、次へ移る必要がある。

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