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2010.01.13

読書メモ:日記風

堀田善衛『ゴヤ』全四巻、読み終わってしまった。
十八世紀の終わりに立ち合うことは十九世紀の始まりを見届けることではないんだなぁ。ナポレオンが歴史を書き替えたとは言われてたけど、こうして見ると廿世紀は特別な仕切り直しではなく、十九世紀への移行期でしかないように思えてくる。
ゴヤがそこに居たのか判らない、歴史の境目に、絵画作品と呼ばれるために現われた一群の絵が、おぞましい時代を逞しく生き抜いた男のおもいでとともに、並ぶ。
そうして並べることが、世界史の裂け目から現代を覗く試みでもあるだろう。


ここ暫くMALCOLM WILLIAMSONのピアノ曲を聞いていて、ジョン・フォールズのアルバムに息子が寄せた一文のタイトルがmusic yesterday 昨日の世界だったのを思い出した。
20世紀が前進する輝ける時代と思ってきたのは誤りだったような気がしてきた。
昨日までは、自分と世界はしっくりと行ってたのに、何だか思っていたような自分でなかったことに気付いてしまった時のような感じがする。
音楽のことは別な機会に書こう。


マーガレット・アトウッド『食べられる女』を読み始める。
これも、昨日の世界からやって来た。
作品前に掲げられた「ヴィラゴ版への序文」で執筆時期と意図や背景が手短に記されていて小気味よい。
冒頭からして既に『侍女の物語』を予見し、時をふるほどに新しくなる感を得る。
シニカルな世界観が妙にみずみずしく捉えられていて、ページをめくるたびほくそ笑む。

ゴヤの絢爛たる悪意を思い出す。

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