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2010.02.26

読了:パオロ・ジョルダーノ『素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)』

以前から気にはかかっていたけれど、『素数たちの孤独 - りつこの読書メモ』で再度確認して、やっぱり読んでしまった。素晴らしい紹介をありがとうございます。


パオロ・ジョルダーノ『素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)』


Amazon.co.jp: 素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット): パオロ・ジョルダーノ, 飯田亮介: 本より引用:

イタリア最高峰のストレーガ賞受賞!
若き物理学者が贈る、至高の恋愛小説。

桁外れの数学の才を持つ少年マッティアは、過去に犯したある罪のせいで、孤独の殻に閉じこもっていた。彼は家族や同級生と馴染めずに、みずからを傷つけ続けた。
スキー中の事故で片足が不自由になった少女アリーチェ。彼女は、事故のきっかけを作った父を憎みながら育ち、醜い足へのコンプレックスから拒食の日々を送る。
少年と少女の出会いは必然だった。二人は理由も分からず惹かれあい、喧嘩をしながら、互いに寄り添いながら、共に大人になった。だがやがて、小さな誤解が二人の恋を引き裂く。
異議はありません。傑作です。恋愛小説として?いいえ、傷ついた心の描写の傑作です。 以下は、個人的な感想です。

題名の素数そのものはマッティアの研究課題と言うだけで、他には出てこない。この点は良かった。
マッティアとアリーチェ、幼い時に、それぞれの心(と身体)に傷を負った二人が思春期に出会い、引かれ合い、(他人の目にはどうであれ)完璧なカップルの筈なのに、すれ違ってしまう。そんな痛みと、心の震えと、若い二人の姿を描いている。二人の関わる周囲の人々も人知れず悩みと苦しみを抱えて苦しんでいるけれど、それらも少し突き放したようなミニマリズムな描写は、作者が若い素粒子物理学の研究者だからか。
でもマッティアは罪の意識のためだけに悩んでいる訳ではないようだ。自分が男だからか、ジャンルが近いからか、この悩みの深さは、この本とも共通する(こっちは少女だったか)もののようだ。
二人の関係にしても、何故、一番大事なことが言えないんだろう。マッティアとアリーチェだけでなく、他の人々も。この二人は本当に不器用で、お互いに胸の内を打ち明けることすら、出来ないまま(しないまま)、すれ違ってしまう。
この後の二人は?
私は、生きていけると思う。このまま、自傷は続くだろうし、拒食は少ししか改善しないだろうけれど、別れた二人の絆は進展しないだろうけれど、それでも、二人は生きていけると思う。
偶然だけれど、この本を読んでいるとき、この歌を聴いていた。

もしも君の手が
僕を忘れてても
暗い冬越えて
光感じる そんな気分

だけど胸の奥
かけらまだあるなら
もう消さないで
どうか見せてほしい

きれいなかたちより
いびつな僕たちは
何百倍もつらいけど その分深くなる

~のあのわ~「Spectacle」

(iTMSならこちら→SPECTACLE
本当にそうなんだろうか。このさびは、救いなんだろうか。自信が無い。

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