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2010.03.14

『ディズニー王国を乗っ取れ』

ジョン テイラー『ディズニー王国を乗っ取れ』
「舵を失ったまま、嵐に翻弄される船」それはまさにウォール・ストリートのディズニーに対する評価だった。それが正しいかどうかは、もはやたいした問題ではなかった。ウォール・ストリートでは、しばしば評価が現実をつくりだす。ブローカーたちは相場が上向きだと見れば、こぞって買い注文を出し、その結果、相場は上向きになる。会社の経営が誤ってると見れば、その会社の株を売りに出すから株価は下がり、残った株主たちはこれを経営の誤りの証拠と見なすのである。単純な考え方かもしれないが、レイ・ワトソンは、ディズニーに関する相場の動きをこう判断した。(P.
272)

ジョン・ケネス・ガルブレイスのように企業買収者を批判する人々は、彼らが企業に無益な防衛戦に莫大な時間と金を浪費させ、アメリカの多くの産業--繊維業界から石油、鉄鋼業界に至るまで--が危機に瀕し、アメリカ経済そのものの健全さが問われているときに、生産性の増大に投資されるべき貴重な資産を枯渇させていると述べている。さらに、機関投資家の四半期単位の収益の重視--これが企業買収を可能にする--が企業経営者に、設備投資、研究開発といった必ずといってよいほど短期収益を低下させる長期戦略を犠牲にして、会社の株価を上昇させるような一時的な戦
術を取ることを強要するとしている。
 しかし、企業買収者にも擁護者がいないわけではない。たとえば、『エクセレント・カンパニー』の共著者であるトム・ピーターズは、スタインバーグのディズニー乗っ取りの試みは、経営の拙劣な企業を見抜き、変革を余儀なくさせることによって、その会社の業績を促進するという企業買収者の役割を実証する好例であるとしている。スタインバーグの株式公開買付がディズニーを混乱におとしいれ、ロン・ミラーの退陣を余儀なくし、アイズナーとウェルズを招くことになったとしても、敵対的買収そのものは、一般論としては企業国家アメリカを利すると考えられているようであ
る。(P.373-374)

著者ジョン・テイラーは、今回の株式公開買付に関する事象を整理したレポートを提出したのであって、ディズニーの企業概要を書いた訳じゃない。
ある程度は投資マネーの性質を解説してはいるが、翻訳(名称や用語使用など)がそうであるように、時代的な評価が固まっていないので、今日的視点からは少し緩い判断評価のように思えなくもないが。
ロイとウォルトの微妙な関係が創立者なき後の企業の経営やアイデンティティにまで影響した。
(ところで野蛮な闖入者はインサイダーのことだろうか? それで短期間に株式市場で儲けるとインサイダーの汚名をかぶせて排除しようとするのか、その逆か。)

不動産開発業者の生態がもっと知りたいところだが、仕方ない。

ハイ・コンセプトの流行に注意。

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